結果が公開
農林中央金庫の業績が公開されました。最終損益は1.8兆円の赤字。過去最大です。1年前の2024年6月にもこの問題を取り上げました。そのときの記事では、1.5兆円ほどの損失予想でした。結果はそれ以上のマイナスになっています。それにしても、巨額な損失が出ました。規模が大きいほど収益も大きくなりますが、その反面で損失も巨大になることがわかります。規模の論理は正しいのですが、判断を見誤るとマイナスも大きくなるので判断(ジャッジ)には責任がともないます。
- 最終損益は1兆8078億円の赤字となり、過去最大の赤字を記録 (2025年度)
- 外国債券運用の失敗により、含み損を抱えた債券売却で巨額損失を計上
- 1兆4000億円規模の資本増強を実施し財務基盤を強化
- 運用資産の入れ替えを実行
- 今年度の最終利益は300億円から700億円程度の黒字転換を見込む(2026年度)
農林中央金庫の最終的な損益 1兆8078億円余の赤字に
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250522/k10014813441000.html
巨額赤字の背景
今回の巨額赤字の主因は、外国債券運用の失敗にあります。含み損を抱えた債券の売却を余儀なくされ、その結果として過去に例を見ない規模の損失を計上することになりました。このマイナスに対する対応として、1兆4000億円という大規模な資本増強を実施しています。この資金を捻出したのは、全国のJAです。そのため、今年度の最終利益については300億円から700億円程度の黒字転換が見込まれています。赤字を続けるわけにはいかないので、今年度の黒字化は必須でしょう。
まとめ
今回の損失は資本増強でカバーできたので、大きなできごとにはなっていません。これが通常の金融機関の場合は、資本増強もできなかったでしょう。公的資金を投入するか、どこか他の金融機関と統合させるしか方法がないのです。なので、特殊な事例だと感じています。今後は慎重な姿勢で運営していくと思われます。
(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)
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