ヒット商品番付が映す消費の変化
2025年6月、日本経済新聞社が発表した上期ヒット商品番付を見て、感じることがありました。「ヒット商品不在」を感じたのです。大きなヒットがなかった時期なのかもしれません。単に価値観多様化だけでは解説できないのではないでしょうか。
昔は確かに「横綱」がいた
振り返れば、1990年代から2000年代にかけて、誰もが知っているメガヒット商品が確かに存在した。
- ドラゴンクエスト(社会現象化)
- たまごっち(品薄で大騒動)
- アムラー(ファッションブーム)
- ポケモン(世界的人気)
- iPhone(生活様式を変えた)
これらは文字通り「横綱」と呼べるヒット。みんなが知っていて、みんなが欲しがって、話題の中心にあった。ところが今回の番付を見ると、ヒットしたのか、と感じてしまう。ヒット商品の「横綱」が本当にいない時代になってしまったのかと錯覚します。
「モノ」から「コト」へになっているが
ヒット商品不在の最大の理由は、もっと根本的な消費行動の変化にある。「何を買った?」とお互いに聞かなくなった。そのかわり、「何した?」と聞くようになっているのです。単に、モノを買わなくなった。もしくは、買わなくなったものがあるのです。それを「モノ」から「コト」へ、と呼んでいます。しかし、そんな簡単なものなのでしょうか。
価値観の転換
いま起こっていることは、「価値観の転換」なのではないでしょうか。じっくりと自分の人生を振り返る時間が偶然に発生しました。その後、行動が変わっているのです。行動の変化は価値の転換が原因なのです。価値を感じる領域が移動したのです。
意味づけが新しくなる
同じ行動をしていても、同じではない。それは、意味づけが変化しているからです。価値のちがいは新しい意味を上書きしているのです。時間の取り方を見てもわかります。自分の時間や家族の時間を優先するようになりました。体調管理もそうです。無理をしなくなったように感じます。行動習慣も以前のようには戻っていないのです。
まとめ
価値観の転換を感じるようになるのは2027年からになるでしょう。もう少し時間がかかりそうです。そのときになって、価値観が変わったことを実感するはずです。その変わる方向性をビジネスにつなげることが今後は重要。予測し、先回りしておくのが優先です。
上期ヒット商品番付 横綱は「米(コメ)フレーション」「大阪万博」:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC288UI0Y5A520C2000000/
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