高騰しストップ
たった8ヶ月で、建築予算が34%増加。これでは建築できない。中野サンプラザの再開発の数値です。総事業費が当初2021年では1810億円だったのが、2024年9月には3540億円まで増加。約2倍まで増えてしまいました。そのため、工事がストップ。手つかずのまま、その後に至ります。
期間 | 総事業費 | 当初計画からの増加額 | 増加率 |
2021年5月 | 約1,810億円 | - | - |
2024年1月 | 約2,639億円 | 約829億円 | 約46% |
2024年9月 | 約3,540億円 | 約1,730億円 | 約96% |
意図的かも
この値上がりの上昇カーブを想像するだけで、材料の値上がり、人件費の高騰が理解できます。また、ゼネコンは他の物件の工期が延びているため、急ぎの対応ができない。対応できない分、見積りの価格を上げるしかないのではないでしょうか。
暗にお断りするために、意図的に高価格な見積りを提出することも考えられます。今回のケースはそうではないかもしれませんが、業界が歪んでいるのを感じます。
結局取りやめたところも
取り壊して新築する予定のビルが結局取り止めになった例もあります。五反田TOCビルは、建て直しを予定していました。それが、価格高騰で建て替えは中止したのです。結局は、リニューアルして再オープン。計画が土壇場になって変更した異例のケースとされていました。しかし、その後、中野サンプラザのように同じようなことが発生しています。こうした混乱は続くと見られています。
五反田TOCビル、異例建て替え延期の舞台裏 再開発「漂流」相次ぐ
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00692/112700001/
まとめ
混乱が続いている業界は、急には戻りません。数年かけて戻る形になります。現在は、戻る気配すらないのかもしれません。このような価格高騰による影響が出るのは、20年以上ぶり。価格上昇が今後は当たり前になってくるので、数年先の金額は当てにならないのを前提にしておきたいと感じます。
白紙の中野サンプラザ再開発 デベロッパーとゼネコン、逆転した力学:資材費や人件費の高騰を受けて、約1810億円だった総事業費は見直しを重ねて約2639億円になっていた。さらに900億円上積みされると当初計画比で約2倍の約3540億円に膨らむ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC024H70S5A600C2000000/
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