営業育成の新常識
営業担当を育成するとき、「自分で考えさせるべきか、それともプロセスを丁寧に教えるべきか」という議論は多くの組織で起こります。しかし、採用が困難な環境のとき、この問題への答えは明確になってきています。採用難のとき、組織の成長を左右するのは、適切な育成アプローチの選択です。育成が優先です。何より「教える力」の向上が組織の競争優位性につながるのです。
2つのアプローチ、それぞれの価値
育成を考えたとき、営業担当を育てたいときは、
①「自分で考えさせる」アプローチ
②「プロセスを丁寧に教える」アプローチ
の2つを考えると思います。どちらが正解なのか。これは毎年のように質問される内容であり、正解はありません。対象となる方のタイプによって選択しましょう。
①「自分で考えさせる」アプローチの場合
このアプローチには確かに重要な利点があります。問題解決能力の向上、創造性や応用力の育成、そして最終的に自立した営業パーソンへの成長をうながします。しかし、自分で考える分、ミスもあります。学ぶ方向性をまちがう可能性が高いのです。まわり道をすることになります。まわり道をすることは教育プロセスとして有意義だと感じますが、最近の傾向では、まわり道はさせない方がいいでしょう。そのため、自分で考えさせるときは、方向性だけ確認しておく必要を感じます。
②「プロセスを丁寧に教える」アプローチの場合
一方で、プロセスを丁寧に教える場合は、1人前になるまでが速い。基礎スキルの確実な習得、失敗リスクの最小化を実現できます、そして新人の早期戦力化(1人前)という明確なメリットが出ます。マイナス点は、1人前になった後の成長が鈍化することです。その後の成長は目標設定を再構築してうながすことになると思います。
まとめ
どちらのアプローチを選ぶかは、対象者の特性によって大きく左右されます。その点は見極めてください。また、成長のタイミングによって切り替えても問題ありません。早急に即戦力が必要な場合は、②を選択し、短期間で成長してもらいます。その後は、①を選択するのです。このように、育成のプロセスをパターン化しておくことも有益なので覚えておいてください。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆 from2011