AIが教育を変えるのか
AIが急速に進化する中、教育現場での活用も注目を集めています。AIは教育と親和性が高い。AIこそ教育に活用し、教育方法を変えていくべきだと感じています。そんな中、こんなニュースが出てきました。AI開発をリードするOpenAIと、米国最大の教員組合である全米教員連盟(AFT)が提携。そして「AI教育のための国立アカデミー」を設立すると発表したのです。
なぜ今、AI教育アカデミーなのか
現在、すでに10人中6人の教員がAIツールを活用し、週平均6時間もの時間を節約しているというデータがあります。AIは教育者の強力な味方となる一方で、「どうすれば思考力を育めるのか」といった新たな課題も生んでいます。大学生は、レポートや論文を書くときにAIを活用するのは、当たり前。そのため、本人の実力が向上しているのかは、わからないのです。
このアカデミーは、まさにこうした課題に対応し、教師がAIの可能性を最大限に引き出し、教育現場をリードできるよう支援するために立ち上げられたそうです。
アカデミーの取り組み
この5年間の取り組みは、全米のK-12(幼稚園から高校まで)の教員40万人、米国教員の10人に1人にAI活用能力を身につけさせることを目指すそうです。主なポイントはこちら。
- 1,000万ドルの投資
OpenAIは、今後5年間で800万ドルの直接資金と200万ドルの現物リソースを提供予定 - 無料のトレーニングとカリキュラム
ニューヨーク市に旗艦施設を設立し、全米に展開。実践的な専門知識と最先端技術を組み合わせた、無料のトレーニングとカリキュラムを提供予定
となっています。OpenAIのサム・アルトマンCEOは
「教育者は変化をもたらし、AIによる次の変化を主導すべき」
と述べており、AFT会長も
「教師と生徒の直接的なつながりは、新しいテクノロジーによって決して置き換えられることはない。しかし、AIを活用し、教師が主導権を握ることで、教育と学習の質を向上させることができる」
と語っています。
まとめ
教員をAIが代替するという予測もあります。その可能性も否定できないでしょう。教員からAIを否定される前に、このような提携の動きは有効だと感じます。AIと教育分野の協業がさらなる教育の世界へ導いていくでしょう。
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『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』運営執筆 藤原毅芳(fjコンサルタンツ) from2011