成長は段階的ではない
成長プロセスは長い間、研究されてきた分野です。段階的に成長すると考えられていましたが、実はそうではないとされています。段階的な成長となると、ひとつの成長プロセスを順番に歩んでいきます。しかし、そうならないのが成長の複雑なところです。奥が深いですね。
独立して成長
もうひとつ、成長には論争があります。ビジネスにおける成長は、ほとんどが「スキル」の習得とされています。しかし、本当にそれだけでしょうか。研究においては、スキル以外に、
・人としての器
・人格
といった領域も不可欠といっているのです。ただ、このスキルと器はお互いに影響するのですが、独立した形で成長します。そのため次のような4つに分かれていくのです。
スキル高い | スキル低い | |
人格成熟 | ①スキル高く・人格も成熟 | ②スキル低い・人格は成熟 |
人格未成熟 | ③スキル高い・人格未成熟 | ④スキル低く・人格未成熟 |
スキルが高いからといって人格が成熟しているとはかぎらない。仕事の成績と人格の成熟は必ずしも連動しないのです。まあ、まわりの人を見れば、なるほどと実感するのではないでしょうか。
網の目
スキルの習得は、ノウハウも習得プロセスも簡単に手に入る時代になりました。問題は、人格の成熟、器を広げるための成長です。どこから、何をすればいいのか。はっきりいってよくわからない。人格の成熟を成し遂げた人も、結局のところ「いろいろやった」と言われてしまうこともあるからです。そこで、考え出されたのが、段階的なプロセスで考えるのではなく、人格成熟のために必要な、経験や知識を網の目のように配置し、それを埋めていく考え方です。経験や習得によって網の目が埋まっていく感じ。その終了した網の目がある一定量を超えると、成長が明確に見えてくる考え方です。
この考え方には賛同できます。どこからやるのか、ではなく、完了した数が成長へとつながっていく考え方です。成長は初期のとき、すぐに成長を感じますが、必ずといっていいほど、成長は止まります。そのとき、何をやっても成長につながらないと感じる時期があります。これは、習得した網の目の数が足りなかっただけなのでしょう。そう考えると継続的に取り組めるのではないでしょうか。
まとめ
ムダなことをし続けていると感じる時期もありました。しかし、継続すると突破口が見えてくるものです。そこには、きちんと説明できる理論があるのです。それを知らないと、どうしても継続できない。止まってしまうと思います。だから、止まっていると感じるときこそ、何かをしなければならないのかもしれません。
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『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』運営執筆 藤原毅芳(fjコンサルタンツ) from2011