国債残高がすごい

「日本の国債残高がすごい」と聞くことがあると思います。本当に危ないのか気になります。もともと国の運営は根拠となるものがあり、国債を含む経済や貨幣については、経済学をもとに判断されています。その経済学の中には、「ドーマー条件(Domar condition)」という指標で財政の安定性を判断することもあるのです。今回はその内容について取り上げます。

ドーマー条件って何か

ドーマー条件を簡単に説明すると
・「金利(r) が経済成長率(g) より高いのか低いのか」
によって判断する内容です。ざっくり強引に説明すると、この比較だけで、国の財政が破綻するかどうかを判断しようという考え方なのです。

  • r (金利)> g (経済成長率)→ 国債の利払いが増えて借金が膨らみ、財政は不安定
  • r (金利)< g (経済成長率)→ 借金の伸びが抑えられ、財政は落ち着く

金利より経済成長率が高いときは国債残高が多くても大丈夫、といった根拠で用いられることもある指標なのです。

どうして経済成長が必要か

わかってくると思いますが、国債残高が多い状態のとき、経済成長率が低ければ償還に苦労しますが、経済成長が高いところで続けば国債償還の負担も減っていきます。また、現在の経済は金利が存在しながら、成長することが義務づけられています。前提として成長が必要になっていると感じます。ドーマー条件においても経済成長率が高く、それより金利が引くければ落ち着いた状態になると判断しています。なので今後は、経済成長を前提にした施策が行われていくことを予想しています。

まとめ

経済は大きすぎる概念なので、実態がつかめないこともあります。そのため分析の手法が数多く編み出されています。ドーマー条件はその中のひとつであり、新しい財務大臣の記者会見においてもこの単語が出てきました。

今後、日本だけでなく先進国においては経済成長し続けなければならない文脈にあるので、施策としては、成長をうながすことが続くでしょう。インフレも続きますし、物価上昇も続くのは当たり前なのです。

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆