見通し立たないリニア
速報で、JR東海社長が「リニア開業見通しが立たない」と流れてきました。記事を読んでみると、開業時期について質問されたところ「まだ申し上げることはできない」と返答したようです。
リニアの工事費も予定より増額になっており
・7兆円の計画
から
・11兆円の見通し
と修正しました。4兆円の増額です。1.5倍以上の増額になっています。
借入3兆円。現在
現在JR東海は、財政投融資を活用した長期借入を3兆円しています。利率は平均利率0.86%の低金利融資。返済方法は「約30年間の
元本据置き後に約10年の元金均等返済」となっています。最初の30年間は金利の支払いだけ。(年間240億円)。その後の10年間で元本を返済する予定です。
4兆円の増加になると、さらに資金調達が必要です。現在の業績は連結で下記の数字です。
・営業収益(売上):約1.8兆円
・営業利益:約7,000億円(純利益4,600億円)
・減価償却費:約2,000億円
この利益率を継続すれば支払いできるとは思いますが、条件付きです。企業経営では、予想通りにいかないことが発生することもあるので、見通しは慎重に考えるべき。仮に仮に11兆円までリニア建設費が増加した場合、営業収益(売上)の6倍の費用をかけて設備投資をすることになるので、精密なシミュレーションは欠かせません。
特徴があるから
JR東海は、他のJR各社と収益構造が違います。その違いは、何か。
JR東海は
・運輸収入80%
になっていることです。新幹線に依存している体質なのです。しかも他のJR各社と違い
・営業利益率が高い
のも特徴です。だから、リニアに取り組めたのです。逆に他のJR各社では取り組むことができなかったといえるでしょう。でも、それが良かったのかはまだわかりません。
まとめ
今後は、リニアも「撤退するのか」を議論する段階に来ました。おそらく、その決断は先送りになるでしょう。しかし、建設費が1.5倍になってしまっており、今後もさらに増加する可能性も否定できないからです。どこかで工事休止になることは予想しておきましょう。
リニア開業見通し立たないとJR東海社長
https://www.47news.jp/13378205.html
リニア工事費、11兆円に JR東海
https://www.jiji.com/jc/p?id=20251029212001-0087887557
——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆
