役職名も意識されていく
役職や会議の名称は、徐々に意識に染み込んでいくので意外と大事。最近の事例としては、キーエンス社の内容が出ていました。部長、課長という役職名を使わず、スタッフがお客様に上司を紹介するときも
「うちの責任者です」
と言うそうです。社内でもその点ははっきりしており、
・メンバー→部署責任者(キーエンスの場合は機種責任者)→エリアマネージャー(エリア責任者)→事業部責任者
となっています。4階層だけになっています。しかも、スタッフ以外はすべて
・責任者
という定義になっており、何の責任を負わなければいけないのか、明確になっているのです。
各社ごと
名称は、会社ごとに違います。公開されていないところでもあるので、なかなかわかりません。Webに掲載されているケースもありますが少ないです。理にかなった事例が少ないと感じています。
役職名も単に外から見た体裁を整えるだけの場合もありますが、社内的には、明確にしておいた方がいいでしょう。キーエンス社のリーダーはすべて何かの「責任者」であるという定義も応用できるのではないでしょうか。
責任者になると
責任者という言葉は、かなり意識されるので、役職以外にも使っている事例があります。
・メンテナンス(維持)責任者
・保管場所、倉庫責任者
・クリーンアップ責任者
など会社の維持、メンテナンスを目的とした役割分担を「責任者設置」という手法で行うと、維持されます。「担当者」ではなく「責任者」という言葉にするだけで、自覚が生まれるのです。担当者の場合、責任をともなわないという自己解釈の余地があるのでしょう。責任者の場合は、責任がともなうことは明白なので、自覚が生まれるのは必然といえます。
まとめ
言葉の選び方は大事。言葉によって
・解釈がいく通りもできる言葉
・ひとつの解釈しかできない言葉
に分かれます。仕事の場合は、ひとつの解釈しかない言葉をできるだけ用いたい。今回の「責任者」という言葉はその事例のひとつになるでしょう。意識したい部分です。
キーエンス事例
『事業部構成と役職呼称』
製品カテゴリ(センサー、レーザー、測定器等)ごとに事業部が分かれている。
上司やリーダーは「事業部長」ではなく「責任者」と呼び、役割=事業の責務を負う人という認識。
『営業組織の階層構造(シンプル化)』 (実質的に4階層)
1)メンバー:新卒入社後は全国約50拠点の営業所に配属
2)機種責任者:担当製品・機種ごとの第一ラインリーダー
3)エリアマネージャー:地域別に機種を統括する管理職
4)事業部の責任者:事業部全体を統括
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆
