「曖昧さゼロ」の指示

リーダーの指示は、
・明確性
が求められます。曖昧な返答やわかりにくい説明をするとメンバーが困ります。
・やるのか、やらないのか
・決めるのか、決めないのか
・OKなのか、ダメなのか
がわからず動けない。フリーズしてしまいます。そのため、リーダーは
・曖昧さゼロ
を意識することです。

リーダーの言葉が決める

曖昧さを排除するには、次のことを意識します。
それは、
・「やってほしい(オーダー)」
・「やってくれるといいな(リクエスト)」
を分けること。そうすることで曖昧さは徐々に排除されていきます。明確さとは、このふたつを意識することでもあるのです。

日本語は文脈重視の言語です。なので、指示や依頼の「強制力」が曖昧になりがち。しかし、リーダーの言葉が曖昧だと、スタッフは戸惑い、最悪の場合、チームの生産性や士気が低下してしまいます。言葉の威力がマイナスに発揮されてしまうのです。

明確な線引き

オーダーとリクエストについて詳細に見ていきましょう。

オーダー

オーダーは業務遂行上必須の仕事内容です。この業務が欠けてしまうと他に迷惑がかかることになるので、重要な仕事を依頼するときは「オーダー」を意識します。具体的には、組織の目標達成や、危機管理、法令遵守など、最優先で取り組むべき事項に用います。また、基本動作、基本習慣、礼儀、作法などを教えるときも「オーダー」になります。お客様に迷惑をかけない、お客様が不快を感じないようにするためです。

オーダー強制力:高目的:必須業務の遂行

【表現例】

  • 「〜を完了させること」(書き言葉・重要事項)
  • 「この業務が最優先です」(優先度の明言)

リクエスト

リクエストの場合は、協力の要請であり、相手の自発性や裁量に委ねる部分があります。緊急性は低いが重要な業務、スキルアップにつながる業務、チームの士気を高めるための協力依頼などに用います。ゆるやかな依頼ではありますが、最終的には実践してほしいことであり、何度も要請することになります。

リクエスト強制力:低目的:協力の要請

表現例】

  • 「〜していただけると助かる」
  • 「もし可能であれば、〜してもらえると嬉しい」

曖昧さを排除する「要素」

指示や依頼を伝える際、日本語特有の曖昧な表現を排除し、正確に意図を伝えるにはコツがあります。

① 定量化:「なんとなく」を「数字」に

感情や感覚に頼る表現は、人によって解釈がブレます。必ず数字やデータ、または具体的な基準で指示します。数値は世界共通言語でもあるので、伝達力は最強です。

曖昧な表現曖昧さを減らす表現
「今日中に」「今日の17時までに」
「資料を多めに」「グラフを3つ盛り込み、A4で2枚以内にまとめて」
「いい感じにして」「顧客満足度80点以上を目指した構成で」

② 具体的な行動:「対応」を「動詞」に

「調整して」「対応して」「検討して」といった曖昧な動詞は避け、最終的な「完了した状態」を具体的なアクションで示します。日本語には、解釈が分かれる言葉あるのです。調整して、という言葉には、さまざまな調整レベルが存在し、受け手が勝手に自分の調整レベルを決めてしまいます。そのため、ギャップがうまれてしまうのです。

曖昧な表現曖昧さを減らす表現
「この案件、検討しておいて」「この案件について、コストと期間の側面から評価してください」
「システムを使いやすくして」「システム改修後、顧客が自分で資料をダウンロードできる状態にしてください」

まとめ

このようにリーダーの言葉から曖昧さを排除するとチームが活性化することは想像できるでしょう。曖昧だから動けない部分が消滅するからです。そのためリーダーは自身の思考から「曖昧さ」を排除し、言葉にすることです。たったそれだけで結果が変わることもあるのです。

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