財政と年金の両立
今回はマクロの視点で考える話題です。それは
・財政
・年金
についてです。この両者の持続性について考えてみます。
・財政:持続性
・年金:持続性
です。両者の持続性が成立することはない、と言いきっている人もいます。どちらかを存続させれば、もう一方は破綻するという意見。その点を考えてみたいと思います。
トレードオフの関係性
この2つは単に並立する問題ではなく、「学問上、両立しないトレードオフの関係にある」という、厳しい見解があります。つまり、「一方を助けようとすれば、もう一方が沈む」という二律背反の構造。アンビバレント(ambivalent)とも言います。どうして、この2つの要素は、相容れない関係なのでしょうか。トレードオフの視点で考えてみます。
トレードオフを生む「構造」
トレードオフの構造は広く知られています。
・名目成長率>名目金利 →年金破綻
・名目成長率<名目金利 →財政破綻
といった関係性です。成長率が高くなった場合、物価も上がっていくでしょう。そのとき金利の方が成長率より低い場合、年金にとってはマイナス環境になるのです。逆に金利の方が成長率より高い場合は、財政にとってはネガティブ。税収も伸び悩み、また国債の利払いは多額になり、財政の継続性が問われるのです。
行き着くところ
経済ほど、真逆の意見が対立したままの状態が続いている領域はなかなか見当たりません。経済に関しては、行き着くところまでいかないと結果が出ないからです。今回取り上げた話題も、年金と財政のどちらかが破綻するまで決着がつかないのです。途中経過においては、意見が対立したまま推移しています。
まとめ
現在の構造下では、「年金」と「財政」の間で、常に綱引きを強いられています。選択肢が少なくなっているのを感じます。選択肢が少なくなると最後には行き詰まります。行き着くところまで行くしかないのかもしれません。そこまでいけば、経済の論争も終わりになるかもしれませんが、現実の世界は大変なことになります。
実際に、経済の課題は先送りにしかなっていません。膨張していくマネーの量を見ながら、実際に発生している事象を見て進捗を予想することしかなさそうです。
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