最初に見極め
「毎日忙しく商談しているのに、なぜか数字が伸び悩む……」
「見込みだと思っていた案件が、決裁直前で白紙になってしまった」
営業現場でよくあるこの悩み。実は、その原因の多くは「顧客のポテンシャル(将来性)」の見極めにあります。この見極めを習得するにはどうしたらいいのか。営業課題のひとつです。
この問題は、課題解決の優先順位の中では低く見積もられることがあります。目先のスケジュール管理や活動稼働率に注目してしまうため、ポテンシャル見極めを後に回してしまうのです。これは根本的なまちがい。営業担当の成果を最大化するには、時間管理より先にポテンシャルの見極めを優先することです。
将来も見据えて見極め
トップセールスと呼ばれる人たちは、単に「今、予算があるか」だけで顧客を判断しません。目の前の顧客が「将来的にどれくらい成長するか」「自社にとって長く優良なパートナーになり得るか」を瞬時に、かつ深く洞察しています。生涯価値LTVを予測しているのです。そのため、成長スピードが遅い人でも後から大きく成長する人には、そのような要因が備わっていることがあるのです。または、リーダーがポテンシャル見極めの支援をしていることもあります。
見極め力習得のポイント
今回は、営業担当者が養うべき「顧客ポテンシャルを見極める能力」について考えてみたいと思います。
- ヒアリング力
ポテンシャルを見極めるヒアリングができているのか。単に目先のビジネスにつながることしかヒアリングしていないのではないか。ポテンシャルを見極めるヒアリングには、将来のことを質問するとヒントがつかめます。覚えておいてください - 求人情報チェック
求人情報には、その企業の状況があらわれています。どのような人を募集しているのか。単なる欠員を補うための募集もありますが、将来性を見込んで募集しているケースもあります。そこから顧客の方向性と将来性を予測することができます - 業界動向
その業界は成長期か、成熟期かを判断します。成熟している業界が多いと思います。その中においても将来性がある企業はあるものです。その見極めも欠かせないと感じます - ニュースリリース
大企業においては、ニュースリリースを常に流しています。その中に新規投資、新規事業の発表が出てくることがあるので、そこに気がつくことは営業担当の仕事でしょう。新しい予算がついているはずだ、と仮説が立てられます。数年間かけて行うプロジェクトもあるので、将来性に気がつくこともあるでしょう。「今、顧客が何にビジネス投資しているか」を事実ベースでつかむことで、精度の高いアプローチが可能になるはずです - 人を見る
ビジネスで成長する人には特徴があります。そのパターンを知っておくことです。そのひとつは、エネルギーの大きさです。やる気が大きい、活動量が多い、前向きさが人よりちがう、といったことが人より大きい人のことです。顧客の中で、すでにビジネスの成果を上げている人もいますが、将来的に成長する人を見極めることも実は大切
まとめ
営業の仕事は多岐になっていますが、外せないポイントだけは、きっちり取り組んでおきたい。その中でもポテンシャルの見極めは欠かせないポイントのひとつ。見極め力の向上に取り組んで、見る目を養ってほしいです。
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