レピュテーションリスクとは

レピュテーションリスクとは、企業や個人の評判が何らかの原因で損なわれ、結果として売上や利害関係者に影響が出ることです。もっとも大きな影響は、採用活動。これは、何年も影響が出ることがあります。

企業の評判が傷つくということは、つまり「みんなにわるく思われる」状態になることであり、そこから生じる経済的損失や機会損失リスクが大きい。わるい評判は広がりやすく、また長年続くのが普通です。

なぜ評判が傷つくのか

評判が損なわれる原因はさまざまですが、おもに次のような内容です。

・製品やサービスの品質問題
・法令に関わる違反
・経営陣やスタッフのスキャンダル
・サイバー攻撃による情報漏洩
・SNS やメディアでのネガティブな話題の拡散
・リストラ
などです。

評判リスクがもたらす具体的な損失

評判が損なわれると、まず売上減少が顕在化します。顧客が離れれば自然と収益は減り、新規顧客を獲得するためのコストもかかります。大手取引先との契約が解消されれば、事業の規模自体が縮小し、業績に直撃します。

また、ブランド価値が低下すれば、顧客が競合他社へ乗り換える可能性が高くなり、長期的な収益基盤が揺らぎます。法的な観点からは、違反が判明すれば罰金や訴訟費用が多額な規模になることもあり、さらに企業イメージに傷を残します。

評判がわるくなると優秀な人財から流出が加速し、組織の再生力が低下します。また挽回するための採用活動もなかなか進まないのが現実です。採用に関しては数年以上もわるい評判が続いてしまう事例も見てきました。

まとめ

レピュテーションリスクは、評判という見えない財産(価値)が一瞬で損なわれるという点で、企業にとって最大のリスクのひとつです。売上、利害関係者、人財、そして法的なリスクへと波及してしまいます。放射状に影響が出てくるのです。

評判は資産ですから、見えにくいだけに注意が必要です。信用は、日々の小さな取り組みの積み重ねの結果です。短期間に形成されるものでもありません。その点を考えれば、レピュテーションリスクを軽んじることができないと実感します。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆