記事が目につきます

下請法違反の記事が目につきます。何か理由があるのでしょうか。

背景には、現在進められている賃上げの流れが大きく影響していると考えています。これは単なるルールの厳格化ではなく、最低賃金の引き上げと同様に、報酬の引き上げを実効性のあるものにするために行われているのでは、と感じています。

賃上げと下請法

政府が掲げる「構造的な賃上げ」を実現するためには、企業の収益改善が欠かせません。しかし、原材料費や人件費が上昇しても、取引先との価格交渉がスムーズにいかなければ、企業はスタッフの給与を上げる原資を確保できなくなります。
下請法が厳格に運用されるようになった理由は、まさにここでしょう。報酬を抑えられている企業の取引価格を適正化し、そこで生まれた利益をスタッフの待遇改善に充てられるようにする。これは、最低賃金を底上げすることと同じ目的を持った動きだと考えます。

変化点

コストが増加しても「言い出しにくい」という理由で価格転嫁を諦めていたケースもあります。消費税が上がったときも、税込金額は不変ということもありました。しかし、現在の指針では、発注側が気を遣う雰囲気になっています。

業界によっては、発注する企業の担当者が「優しくなった」「(コストに)気を使ってくれるようになった」という声を聞くようになりました。優秀な協力会社に継続的な取引ができるよう配慮していると思います。また、下請法の普及もあるのかもしれません。

まとめ

社会全体で賃上げの機運が高まる中、取引のルールを正しく運用し、適切な価格交渉を行うことが普通になりそうです。これも健全化の流れ。経済の健全化とともに、取引の健全化も達成されそうな流れだと感じます。

運送530社、公取委が指導
荷待ちなど下請けに強要 不当な商慣行の一掃狙う
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO93409630T21C25A2CT0000/?n_cid=dsapp_share_ios

自動車ディーラー160社に下請法違反で指導 修理委託を集中調査
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD200H00Q5A221C2000000/

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