実装できない過去

DX(デジタルトランスフォーメーション)が提唱されてから数年が経ちますが、現実にDX化は到達されていません。ゴールだけ見せて、途中のプロセスが提示されないからです。これは今に限った話ではなく、過去から同じことが続いています。結局のところ、
・大規模な投資
が必要なシステムは普及することはありません。DXが提唱された同時期に
・RPA(Robotic Process Automation)
も提唱されましたが、導入後に取りやめる話しか耳に入ってきません。RPAは、
・ソフトウェアロボットがPC上で行う定型業務の自動化技術
ですが、デモの映像では成功したものが、現場のシステムとしては上手に稼働しないようです。実装できない状況が続いているのです。その後、RPAも聞かなくなり、AIが出てきました。今度は、自動化できそうな雰囲気です。あとは、
・実装までのプロセス
をみえるかどうか。その岐路に差し掛かってきました。

プロセスを埋められる

現場の状況とゴール地点が見えている状態では、プロセスがないので、失敗します。ゴールとの差を埋める手段が見えていないのです。ただ、AIによって、このプロセスが見えてきました。今後は、
・現場に合った自動化実装
が徐々に普及することでしょう。それが2026年の姿だと予想しています。

思いつきをその場で形に

「思いついたらすぐにやる」という言葉は、かつては精神論や心構えとして語られてきました。しかし今は違います。物理的な制約が取り払われ、文字通り「思いついた瞬間に形にする」ことが可能な時代になったと自覚すべきです。s

特にプログラミングという手段をだれもが手にします。そのとき、新たな能力を全員が手にすることにもなるのです。思考と実装のタイムラグは限りなくゼロに近づいています。

走りながら完成度を高める

思考即実装のメリットは、スピードだけではありません。「とりあえず動くもの」を即座に作り、実際に使いながら修正を繰り返すことができる点にあります。アジャイル開発がどの現場でも可能になるのです。

机上の空論で完璧な計画を立てるよりも、不格好でも動くプロトタイプを目の前にした方が、議論ははるかに進みます。「ここはもっとこうしたい」「この機能は不要だった」という気づきは、動かしてみて初めて得られるものです。それを毎日のように行う日が来るでしょう。

まとめ

思考と実装の距離をゼロにする。この感覚をつかむことができれば、ビジネスの現場における課題解決の質は、劇的に向上します。想像以上のスピードになるのは間違いありません。まずは手元の環境で、小さな実装から始めてみてはいかがでしょうか。

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