敗者復活文化

ビジネスモデルや組織マネジメントを考える際、無意識に前提としている「競争のルール」は、国や文化圏によって全く異なります。日本は「敗者復活」の文化だと感じています。敗者復活のストーリーが好きです。メディアでも、オーディション、グランプリ(勝ち抜き戦)に関しても、敗者復活を用意しています。敗者復活こそ見てみたいと思う人も多いのではないでしょうか。逆に、外国の一部では「敗者は敗者」。トップを取るしかない文化です。この違いが気になったので取り上げます。

勝者総取り(Winner Takes All)文化

外国の一部における競争は、まさに「生存競争(サバイバル)」。トップ以外はすべて除外という扱い。トップ以外はまったく認めない文化もあるのです。これもひとつの文化であり、事実です。この勝者総取り文化の背景を考えてみます。

・トップを取るしかない理由
人口とプレイヤーの数が桁違いである市場では、2番手や3番手では利益が出ず、市場から淘汰される。そのため、シェア1位を取るまでは赤字を出してでも競合を潰しに行くような、極端な拡大戦略が正当化されています

・模倣の肯定
勝つためには手段を選ばず、成功モデルがあれば即座にそれを取り入れ、オリジナルを規模で圧倒しようとします。結果こそ全ての世界。プロセスは問わない勝負の仕方をしています

このようにトップしか認めない構造だと、弊害も大きい。マイナス点もあるのです。プロセスを評価しないので、模倣やマネをしてでも勝者になろうとします。これも文化なのです。

日本:共存(Coexistence)の文化

一方、日本の競争は「持続可能性」に重きが置かれていると感じています。これも文化としては特徴があります。

・日本的な敗者復活
ここでの敗者復活とは、「何度でも再挑戦できる」という意味合いよりも、「決定的な終わり(倒産・解雇)を避けるためのセーフティネット」という意味合いが強い。負けても市場から退場させないように設計されています。

・トップを取らないことも許容
業界1位でなくとも、棲み分けや地域密着によって生存が許容されます。「ナンバーワンよりオンリーワン」という言葉が好まれるのもこのためです。

経営における判断

ビジネス環境において、日本企業が速度で後れを取ることがあるのは、この文化的背景の違いに起因しているところがあります。外国の一部では「失敗したら終わり」だからこそ、必死にトップを取りに行く強烈なエネルギーが生まれます。日本では「失敗してもなんとかなる、生き残れる」という安心感がある反面、リスクを取ってトップを取りに行くハングリー精神が薄れがち。

自社が戦う市場やフェーズによって、どちらのメンタリティを採用すべきか。それを意識的に使い分けることが、ベターでしょう。

まとめ

このような構造のちがいを理解することは、これからの経営戦略を練る上で重要。どちらが良い悪いではなく、どちらも特徴的なのです。特に海外との取引は背景を知っておくことが前提となるでしょう。それにしても、異文化は真逆ですね。

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