警戒すべき「政策の偏り」

政府は2026年2月、日銀審議委員の後任人事案を国会に提示。候補として挙がったのは、中央大名誉教授の浅田統一郎氏と青山学院大教授の佐藤綾野氏。いずれも金融緩和や積極財政に前向きな「リフレ派」と目される人物。この人事が実現すれば、日銀の政策決定の場がリフレ派で占められます。リフレがさらに強まることになります。(リフレ政策とは金融緩和と財政拡大によって経済を刺激すること)

おそらく政府の意図としては
・金利を上昇させたくない
という思いがあるのでしょう。金利が上昇すれば、借入の返済負担が増え、ネガティブになるからです。企業だと設備投資に躊躇が出るのではないか。個人の住宅ローンにおいては、変動金利が急な上昇をし始めたら世論が一気にマイナスになり、政府にとってはやりにくい状況が生まれると考えていると予想しています。

リフレ不適切

アベノミクス時代にリフレを支持した経済学者が現在の日本の状況において、リフレは不適切と発言しています。アベノミクス時代は、失業率高い、株価低い、といった状況でした。だからリフレを選択した。しかし、現在の環境はアベノミクス時代とはちがうので、リフレは不適切という意見なのです。

結局は

このままの流れで日銀がリフレ派で占められるようになれば、金利上昇は抑えられるでしょう。目先の課題は解決しそうです。しかし、時間の経過とともに、状況はネガティブになっていき、最後はインフレが加速していくはずです。インフレが加速すれば、金利上昇は避けられず、結局は同じことになるでしょう。ということは、金利上昇を抑えることは、先延ばし戦略と解釈でき、課題解決は先延ばしになると予想しています。

「偏り」はなぜ危険なのか

日銀の審議委員の構成がひとつの方向に偏ればどうなるのか。異なる視点からの検証や反論が弱まり、政策転換のタイミングを逃すリスクが高まるでしょう。それはそれで、リスクと考えています。日銀の独立性が失われていくプロセスのようにも見えます。この流れでいけば
・リフレ派多数
となり
・金利があまり上昇しない
流れが直近では続くと予想できます。

まとめ

今回の日銀人事が決定された後の日銀審議結果が注目されるでしょう。植田総裁の性格からして、考えを曲げないとは思いますが、多数派の意見は無視できません。最後は多数決なので、どこに向かうのかは結果次第ということになります。また注目する時期に来ています。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) 運営 執筆