「先に押さえた者勝ち」なのか
2025年12月、日本の特許出願件数が異常な数字を記録しました。月間8万件超。前年同月比で約2.7倍、168%増という急増です。例年、年度末の3月が出願のピークですが、それでも3万〜4万件で推移してきたことを考えると、8万件超という数字がいかに突出しているかがわかります。
なぜ急激に増えたのか。
想像できる人もいることでしょう。この急増の背景にあるのは、AI関連特許の大量出願が要因です。
なかでも最大の要因と見られているのが、ソフトバンクグループによる全社的な出願攻勢です。トップが率先して特許を出願。その影響で社内でも数多くの特許が出されたのです。
「数で押さえる」戦略
注目すべきは、出願内容の特徴です。請求項がわずか
・10数文字で構成
されていたり、発明の名称がほとんど
・「システム」
とだけ記されていたりと、従来の特許出願の常識からすれば異例のシンプルさ。
これは、日本の特許制度が「先願主義」を採用していることと無関係ではないのでしょう。完成度よりもスピードを優先し、まず出願で「場所取り」をする感覚に見えます。(先願主義:同じ発明なら先に出願した者に権利が認められる)
今後
AIによる発明は増えていくことが予想されています。特に、
・創薬
に対して大きな期待があります。iPS細胞は20年が経過していますが、まだ何も世に出てきていません。2026年にようやく認可される予定です。武田製薬はiPS細胞の研究に10年間で200億円投資しましたが、2026年3月で撤退。何の成果もありませんでした。それほど、ハイリスクな世界。そこにAIが活用されれば、その確率が高まると期待されているのです。
まとめ
特許の数までAIに影響されるとは思いませんでした。しかし、人の能力を超えていくならば、そうなるのも理解できます。ただ、まだ実証されたわけではないので、否定的な意見もあることだけはお伝えしておきます。創薬に関してもAIによる研究はマイナスではないか、と言われている部分もあり、未確定な領域です。ただ、専門家しか申請しなかった領域に専門家以外も殺到する可能性は高く、さまざまな分野で急増しているのを聞いています。今後もそのような記事を目にすることが増えるのではないでしょうか。
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