遮られる

リーダーの一日を思い浮かべてみてください。朝、今日一日のことを考えようとデスクに着く。と思ったら、すぐにスタッフがデスクに来て、質問が始まる。断るわけにはいかない。「緊急なので」と必ず言われるから。

それが終わると、なぜか電話が鳴る。しかも、連続でかかってくる。ようやく自分の仕事にかかろうと思うと、来客の時間になっている。来客が終わり、席に戻れば今日届いたメールが溜まっていた。返信しなければならないメールが週明けは多い。

ひとつ返信したところで、また声をかけられる。決済がほしいとのこと。これも即決しなければならず、集中力を使う。気がつけば夕方になり、朝考えようとしていたことには一切手をつけられていない。重要なことほど、先延ばしになっている。こうした経験は、多くのリーダーに覚えがあるのではないでしょうか。

コンテキストスイッチング

この現象には名前があります。
・「コンテキストスイッチング(文脈の切り替え)」
です。もともとはコンピュータ用語で、CPUが複数のタスクを切り替えるたびに処理効率が落ちることを指します。

人間の脳もまったく同じです。あるタスクに集中している最中に別のタスクに切り替えると、元のタスクに戻ったときに集中状態を取り戻すまでに時間がかかる。そのため、タスク処理に余計な時間がかかってしまうのです。途中まで行ったことを思い出す時間が余計なのです。

研究によっては、一度の中断から完全に集中を取り戻すまでに20分以上かかるとも言われています。リーダーの一日に何十回もこの切り替えが起きているとしたら、深く考える時間などほとんど残らないのは当然のことなのです。

なぜリーダーにだけ集中するのか

コンテキストスイッチングは、だれにでも起きますが、リーダーに集中しやすい構造的な理由があります。スタッフにとって、承認が必要なときは、リーダーに声をかけなければならない。メールで送付できるのだが、緊急の場合は、すぐに決済してもらいたい。そのため対面で話をすることになるのです。

こうした行為がすべてリーダーに向かうのは、組織として自然な流れ。しかし、その結果としてリーダーは一日中「他者の文脈」に引き込まれ続けることになってしまいます。悩ましい問題です。

「割り込み」を仕組みで減らせるのか

コンテキストスイッチングを完全になくすことはできません。しかし、仕組みによって大幅に減らすことは可能です。声をかけられたときに
・真の緊急度
を判断すること。そして、報告は結論から述べてもらい時間を短縮することです。

中には、リーダーが返答する必要がないものもあります。そのときは、その内容を他の人に依頼をして分散させることです。決してひとりでため込む必要はありません。

まとめ

他にも、ひとりになれる時間を意図的につくることもポイント。事務所にいると無理な場合は、意図的に外に出ることも方法のひとつです。もしくは、朝の時間にひとりになれる時間帯を見つけるリーダーもいます。連絡が来ない環境を設定することも視野に入れておきましょう。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) 運営 執筆