他にはない

同じ局面を見ていても、まったく正反対の意見になるのはなぜだろうか。特に経済の局面は、意見が分かれます。専門家でも意見が分かれる領域です。しかも正反対に分かれていくので興味深い現象です。他の分野ではここまで両極端に分かれることはありません。主流派があり、流行りはありますが、正反対で激論を交わすのは珍しいのではないでしょうか。

最近では、米国が金利上昇を止めており、今後は金利が下がるのではないかと予想されています。そのとき、経済のリセッションが発生すると予想する人もいますが、イエレン財務長官は真逆の「ソフトランディングを達成した」と宣言しました。

イエレン財務長官、米経済はソフトランディングを達成した

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-05/S6SQPUT0G1KX00

宣言の内容は下記になります。

  • イエレン米財務長官、米経済の「ソフトランディング」達成を宣言
  • 歴史的異例:高インフレ抑制に成功し、労働市場に著しい打撃なし
  • CNNインタビューでの発言:現状を「ソフトランディング」と表現、継続を期待
  • 12月の米雇用統計:雇用者数の加速と賃金上昇率の市場予想超え
  • 米利下げ時期の観測後退:経済の安定化兆し
  • 賃金の伸び:物価上昇率を上回り、米労働者、特に中所得世帯に顕著な進展
  • 米金融当局の金融政策:イエレン氏が運営を肯定、適切な決定を示唆
  • 労働市場、景気、インフレの軌道:金融政策の成功を物語る

この発言の意図を想像すると、本当はリセッションの可能性を否定できないので、心理的に安心させるために早々とソフトランディング達成を宣言したのではないでしょうか。2023年3月にシリコンバレー銀行が破綻したときもイエレン財務長官は「他の銀行は大丈夫だ」と早々にメディアに語っていたのを思い出します。不安にさせると景気が後退してしまうので、気分的に安心させ、楽観的な人を増やし、消費につなげていきたいのでしょう。発言には、それなりの意図があると感じます。

まとめ

不確実な領域で「断言する」「宣言する」ときは、裏にある意図を考えるようにしています。疑っているわけではありませんが、その真意を確認したいと感じるのです。今回のソフトランディング達成発言についても時期が早いのではないか、と感じます。ソフトランディングしているのかもしれませんが、まだ不明確な部分もあるので断言できないはず。だからこそ、発言によって誘導する意図を感じるのです。

こうした発言内容によって、根拠や理由、もしくは裏の意図を考えるようになると将来予測の選択肢が増えていくと思います。

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