想定為替レート

今期の大手企業業績を予測する上で、為替レートが業績を左右するキーになりそうです。ドル円が円高になっているからです。各企業は今期の業績を計画するとき「想定為替レート」を設定しています。この為替レートには規定はないので、各企業が自由に設定しており、大きなバラツキがあります。現在の為替市場の動向との間に乖離が生じている企業もあり、今期(2025年3月期)の業績予想もネガティブと判断されているのです。株価が下落した企業も出てきました。その想定為替レートについて取り上げてみます。

想定為替レートのバラツキ

今期、企業が設定している想定為替レートは、1ドル130円から155円まで幅広く分布しています。これは各企業の事業構造や為替リスクに対する見方の違いを反映しています。ただ、1ドル155円想定の企業は目立つため話題になっているようです。自動車だと日産自動車がそれに当たります。

  • トヨタ自動車:1ドル=145円
  • 日産自動車:1ドル=155円
  • ホンダ:1ドル=140円
  • スズキ:1ドル=145円
  • ソニー:1ドル=145円

企業への影響

輸出を主力とする企業にとって、円高傾向はマイナス要因となります。円高によって収益が下がるからです。そのため、過去においても、円高は何度も経験しており、また工場を海外に移転させることで為替リスクを減らしています。そうなると円安が良いとか円高が悪いといった論調は一面しか見ていないことになり偏っていることになります。フィルターがかかった状態で見ていることになるので取り除きたいポイントです。

輸入企業

一方で、輸入企業や海外に製造拠点を持つ企業にとっては、円高はプラスに働く可能性があります。仕入れ価格が下がるからです。円高になればなるほど元気な企業です。代表的な企業としてはニトリやユニクロになるでしょう。海外生産しかないので輸入依存度が高く、国内販売では、ほとんどの製品が為替の影響を受けてしまうのです。

まとめ

今後の為替動向と各企業の対応策に注目です。ドル円1ドル=155円のNISSAN日産自動車は何をしてくるのか。何もしないのか。そこも今後の動きとして確認したいと思います。

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