2社から3社、そして4社

携帯電話各社の低価格プランの競争が激化しているようです。携帯電話はdocomoとauだけの時代がありました。そこにSoftBankが参入して3社で競っていた時代があります。SoftBankが低価格で仕掛けていた時代がありました。その後、3社でシェアを按分。落ち着いた形になり、価格競争はさほどしなくなっていたのです。そこにもう1社新規参入があったので再度価格競争に入っているのです。楽天モバイルの参入です。

比較表

低価格帯のプランについて比較すると下記のような内容になります。価格据え置きでデータ量を増やす企業もあれば、期間限定で価格を下げる企業もあります。この比較内容から各社の戦略に対する意図が理解できます。

低価格帯データ量
docomo2,970円/月30GB
au9,834円/3ヶ月間無制限
SoftBank2,970円/月(期間限定価格)30GB
楽天モバイル3,278円/月無制限

最後尾からスタートなのでこの戦略

新規事業で既存企業がいる場合には、最後尾からのスタートになります。シェアを割って入ることになるので、戦略がポイントです。勝てる戦略を見つけることになりますが、考え方としては
・他者が選択できない戦略を選ぶ
ことになります。これは、規模で比較にならない既存大手企業に対しての戦略立案を同じ内容です。大手企業が選択してこないだろう戦略をあえて選ぶのです。その中にはリスクもあるでしょう。しかし、最弱、最後尾からのスタートなので、リスクを取りながら進むことになります。今回取り上げた携帯電話各社の動きでは、楽天モバイル以外では低価格帯で「データ無制限」を選択することができません。期間限定なら提供していますが、ずっとデータ無制限はできないのです。それをわかって楽天モバイルは仕掛けていると思います。これが既存大手と正面から競うときの戦略策定になるのです。

まとめ

大手企業とは競わない方が良いのですが、参入してきた場合はどうしても競争になってしまいます。そのとき、大手企業が選択できない戦略を見つけることがポイントになります。大手企業とは直接対決ではなく、違う形で競うことになるのです。このパターンは覚えておくといいでしょう。予期せず、大手企業が参入してくることはあります。そのときには、「大手企業が選択した戦略と選択できない戦略」を書き出すことです。そうすることで見えてくる戦略があるのです。

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