苦手意識
「初対面での会話の悩み」について、質問されました。できる人にとっては何気ない動作、会話だと思うのですが、苦手の方は、苦手が解決しないまま年月が過ぎてしまいます。どこかのタイミングで解消したいと思っていても機会がなければ、そのままのケースもあるのです。リーダーの中にも、解消せずに来てしまった方もいるので、このタイミングで、ちょっとしたコツを記しておきます。
会話が続かなかった日々
営業職からスタートした仕事人生ですが、会話が得意だったから営業を選んだわけでもありません。逆に苦手意識の方が強かったと記憶しています。営業の仕事が始まってからも、苦手が払拭されることはすぐには起こりませんでした。どうしても言葉が出ない、会話が続かない、お客様と話をしているのに沈黙になってしまったりするのです。そこからスタートしているので、苦手のポイントや成長が止まる部分がなんとなくわかっているのです。おそらく、最初は以下の2つの壁にぶつかるのではないでしょうか。
- 最初のきっかけがつかめない
- 相手の会話を受け止め、ふくらますことができない(違う話題に切り替えてしまう)
なぜ会話が続かないのか
会話が続かない根本的な原因はいくつかありますが、今回は下記の原因をあげておきます。原因がわかれば解決するだけですので、そこはシンプルです。解決策は、事前準備だけです。トークを複数準備しておくことであり、会話を受け止め盛り上げるための話題を情報収集することしかありません。
1. 完璧主義のワナ
「失敗したらどうしよう」「変な印象を与えてしまったら・・・」という不安が常にありました。この完璧主義が、かえって自然な会話の妨げになっていたのを覚えています。スムーズな会話を分析するとわかるのですが、会話を文字起こしすると、かなり不完全です。なぜなら受け手が欠けている部分を配慮したり、想像しながら聞いているからです。会話はあくまでもお互いの推測で成立しているところがあるので、完璧な内容は目指さなくてもいいでしょう。気にすることはありません。
2. 否定的な思考パターン
「私には向いていない」「センスがない」という思い込みが、新しいチャレンジを躊躇させます。適性という言葉があまり好きではありません。向いていない、という断定をする人が増えるからです。仕事においては特殊なケースを除いて適性はほとんどありません。できるようになったら「適性がある」「向いている」となるからです。最初から自分にレッテルを貼ることもないでしょう。
3. 準備不足
何を話せばいいのか、どう話を展開すればいいのか、具体的なトークを準備していなかったことは大きな要因でした。そのため、トークの種類を増やしたのを覚えています。トークを事前に書いておく。シミュレーションしておく。2個3個ではなく、10個20個単位で準備しておけば不安は解消されるでしょう。
転機
仕事におけるトークについて、「会話は技術だ」とわかったとき、なんとなく進むことができるようになりました。これが転機だったかもしれません。「センス」や「才能」の問題ではなく、訓練で上達できるスキルだと気づいたのです。そこに理解ができれば、あとは反復だけになります。この段階まで到達しない場合は、どうしても躊躇したり、止まってしまうことがあるのだと思います。
まとめ
自分が苦手だったことも解決してしまうと忘れてしまいます。苦手だった自分を記憶から排除してしまうのでしょう。ただ、苦手意識のある人を見ると、行き詰まっているポイントが見えるときがあり、ボトルネックがわかったりもします。会話の盛り上がりは仕事上でも重要な場面があるので、そのときのために事前準備は欠かせないと思います。段取りのひとつですし、TO DOリストに掲載しておく内容だと思います。
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