進化し続ける

コンビニエンスストアの変化に気づいていますか。コンビニは世相をあらわす場所であり、変化を感じる場所でもあります。その違いを定点観測すると各社の方針が見えてくるので楽しい領域。コンビニに通う人は、できれば変化を読み取ってほしいと思います。それがマーケティングや営業の能力を開花させることになるからです。

最近の、コンビニ各社の動きを追ってみます。従来の商品販売の枠を超えて、全く新しい方向性を打ち出し始めている企業もあり興味深いです。

セブンイレブンはできたてで勝負

セブンイレブンが注目を集めているのが、「レジ横ドーナツ」の復活です。2024年9月から、一部店舗で販売を再開しました。実は2014年にも同様の取り組みを行い、当時は他社ドーナツを意識した戦略として話題になりましたが、2017年に撤退してしまったのです。期待が大きかったのですが、結果は撤退でした。今回は7年の時を経て、新たに生まれ変わって登場しているのです。

お店で実際に揚げているのが特徴。実際に購入してみましたが、揚げたてはおいしい。この「できたて感」は、ドーナツ専門店を意識した商品開発です。どこまで支持されるのか注目です。

ローソンはエンタメ空間への挑戦中

一方、ローソンは全く異なるアプローチを選択。200店舗にクレーンゲームを設置するという斬新な試みを開始しています。発想が斬新です。従来のコンビニエンスストアのイメージを大きく覆すこの取り組みは、単なる商品販売の場から、娯楽も提供する空間への進化を表現しています。結果はわるくない様子で、徐々にクレーンゲーム導入店舗数を増やしていく予定です。

クレーンゲームは継続的な顧客がいるジャンルなので、支持されればリピートされるでしょう。どこまで顧客を飽きさせずに提案できるかがポイントになるでしょう。

ファミリーマートはアパレル

ファミリーマートは、異なる戦略を展開しています。かつての待機スペースであったイートインコーナーを、衣料品の売り場へと転換。従来のコンビニエンスストアでは見られなかったアパレル販売に力を入れ始めています。アパレルの場合、1点が高額商品になるのでコンビニの販売単価としては売上を上昇させるアイテムになるでしょう。

変化の波は続く

このように、大手コンビニチェーン各社は、それぞれ全く異なる方向性で店舗の進化を図っており、その方向性がおもしろい。いつも、個性がある展開が見られるので、楽しい世界です。

  • セブンイレブン:食品の「できたて体験」
  • ローソン:「エンターテインメント空間」の創出
  • ファミリーマート:「アパレル」という新分野への挑戦

まとめ

今回の変化を見て、セブンは食品で展開、ローソンとファミマは新しいジャンルを展開、と方向性の違いを感じます。コンビニは定番商品が少ない売り場なので、新しさで販売の魅力を伝えるのがポイントになります。新しいジャンルは注目にはなりますが、リピートするかはわからない領域です。食品はすでに市場が明確なので、おいしさと価格で支持されるかを見極めることになるでしょう。時間の経過とともに売り場の広がりが生じているのか確認していきたいと思います。

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