ステルスではない
住宅の建築面積の水準が減少しており、住宅の面積が小さくなっています。これは建設費のコストアップにともない、建築費総額を抑えるための手段として面積を小さくすることになったのです。わかりやすいところで言えば、
・2階建て
が
・平屋
になったのが顕著な例です。ただ、この現象をメディアでは「ステルス値上げ」と表現していました。ステルス値上げとは、見つかりにくい値上げのことを指しているはずです。顧客が気がつかないうちに、商品の内容量を減らしたりすることをステルス値上げと呼んでいるはず。住宅の建築面積の場合は、顧客に公開されていますので、面積に関しては「ステルス値上げ」の表現は正しくないように感じます。ただ、建設コストを抑えるために、見えない部分の部材を減らすのは、ステルス値上げになるでしょう。耐震性や断熱性能が低くなっているケースは、ステルス値上げと表現してもいいのではないでしょうか。この領域については専門家しか、わからないのところなので安易にステルス値上げだと断定はできないと感じます。
日本の住宅、再び狭く:30年前の水準に逆戻り コスト増吸収で「ステルス値上げ」日本経済新聞
建設コストが上がるなか、面積を削って価格上昇を抑える「ステルス値上げ」が常態化。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO85648730S4A221C2NN1000/
賃貸の空きが減っている
ちなみに、新築が少なくなっていると、賃貸のアパートから退去する世帯の数が減り、ファミリー向けの賃貸の空きが減っているのです。ファミリー向けの賃貸アパートは、もともと数が少ないので、需要と供給のミスマッチが発生しています。エリアによってはファミリー向けの賃貸家賃が上昇しています。2月3月時期になると賃貸アパートからの引っ越しが発生しますが、2024年の春から引っ越しの件数が減少していると聞いています。2025年も同様に賃貸からの引っ越しが低調なままなのかもしれません。
集中エリアができる
人口減少のため、地方では人が減っていると言われています。しかしこれから人口が集中し、特定のエリアだけ人口が増えていく現象が長く続くのではないかと推測されています。地方におけるライフラインの維持は今後厳しくなるからです。解決策としては、住居エリアを集中させるしかないのです。効率を上げ、無駄を省く考え方です。そうなると、地方において、特定の平野部に人が集中してくることになります。すぐにそのような現象が発生するわけではありませんが、ゆっくりとそうなっていくでしょう。実際に家族全員が山間部から平野部に引っ越す事例を見たことがあります。通勤1時間ほど時間がかかり生活するのに不便だからです。この現象は例外なく、どの地方でも発生するのではないでしょうか。
まとめ
住宅や不動産は需要と供給によってコロコロと価格が変動します。インバウンドの影響で土地の価格が上がっているエリアもいくつか知っています。ミニバブルはそのエリアで発生しているのです。2年前と比較して、急に土地の値段が上がったところもあります。急に上がったり下がったりするので、人気のエリアだけは今後も上昇し続けるでしょう。
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