1ヶ月で長期金利急上昇
長期金利が上昇しています。この1ヵ月間で急上昇しました。10年国債の金利が1.2%から1.45%まで上昇しているのです。注目すべき事象だと感じるので取り上げます。
この長期金利が上昇するときには、裏側でいくつかの理由があります。国債は金利が上がれば上がるほど、以前から保有している国債の価値が下がります。金融機関は、過去の国債を売却して入れ替える選択を考えます。また、今後の国債購入に関しては、金利が上昇しているときは決断できなくなります。様子を見るしかないのです。購入してもすぐに損が出るからです。すると国債が消化されないので、さらに金利が上がっていく悪循環になるのです。そんなことが発生しているように感じます。
これは前兆なのか
今回の長期金利の急上昇については、メディアでは、さほど取り上げられていません。しかし、長期金利の動きは炭鉱のカナリア※なので、将来発生することの予兆になる可能性もあるのです。このような長期金利の急上昇の動きから、将来の株価下落を予測する人もいます。またすぐではありませんが、急激なインフレーションが発生することも予想されていることだけここでは押さえておきたいと思います。
※炭鉱のカナリアとは
炭鉱内には有毒ガス(特に一酸化炭素)が発生する危険があったため、ガスに敏感なカナリアを連れて行き、カナリアの反応をもって危険の兆候と判断し、鉱夫たちは迅速に避難するのです。この実際の利用例から転じて、現在では「炭鉱のカナリア」という表現は、何かの問題や危険の「初期警告」や「前兆」を示す比喩として使われています。つまり、何か大きな問題が起こる前に最初にその兆候を示す存在や事象を指す言葉です。
なぜ前兆をキャッチしたいのか
前兆シグナルは知っておいて損はありません。前兆をつかみとる感覚ほど貴重なものはないからです。実際にマイナスなことが発生するかはわかりませんが、事前準備ができます。対策を考え、対応準備ができるからです。
「有事は平時の延長線上にない」
という言葉がありますが、有事のときは平時の対応では解決しません。そのためにも前兆だけはキャッチしておきたいのです。
まとめ
地震予知に関心が高い人たちもいます。地震予知にお金を払って情報を取得する人もいます。事前に地震発生時期を知りたいからそのような行動に出るのでしょう。ビジネスも同じです。予知できるなら知りたいという願望は強いはず。それには金利の動きを定点観測することは有益です。小さな変化から、今後の有事を予測することができるので気にしておきましょう。
(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)
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