再現性のある勝ちパターン

「あの会社、一時期はすごく話題になったけど、最近聞かないな…」
「一方で、あの企業はずっと成長し続けている…」

ビジネスの世界で、このように感じることはありませんか。 一時的な成功で終わる企業と、長期的に成長し続ける企業。その違いはどこにあるのでしょうか。答えは、「偶然の成功」に頼るか、「再現性のあるパターン」を持っているかの違いにあります。今回は、持続性を実現する「α × β戦略」という考え方をご紹介します。これは、ビジネスに「再現性のあるパターン」をつくりながら、持続的な成長を実現します。

「α」とは「再現性あるパターン」

まず、「α」について説明しましょう。「α」とは、「何度でも成果を出せる、仕組み化されたパターン」のこと。単なる「強み」ではありません。再現性のある仕組みです。「α」には、たとえば以下のような特徴があります。

  • 検証済みのビジネスモデル
    安定した利益を生み出せる仕組みがある。
  • スケーラブルなプロセス
    特定の個人の才能(属人性)に頼らず、組織として再現できる。
  • 独自の顧客獲得チャネル
    自分の力で新しいお客様を見つけ続けられる。
  • 反復可能な意思決定プロセス
    成功確率の高い判断を繰り返し行える仕組みがある。

「β」とは「時流対応」

次に「β」です。「β」は、市場環境の変化、時代の流れを指しています。再現性のある仕組みができても、時流に合わなければ結果は出ません。時代に合わせて、カスタマイズすることで、継続的なビジネスを運営できるのです。具体的には下記の内容になります。

  • 新たな消費行動
    消費者の買い方やライフスタイルの変化。
  • 競合の出現
    ライバル企業が新たに参入してくること。
  • テクノロジーの変化
    新テクノロジーによる外部環境の変化。

重要なのは、「β」は常に変化し続けるということ。かつての有望市場もいつかは飽和し、顧客のニーズも変わっていくものです。「β」の変化を読み間違えれば、どんなに過去に成功した企業でも衰退してしまう可能性があるのは歴史が証明しています。

方程式「α × β戦略」で持続的成長を

ここまでの「α」と「β」を組み合わせたものが、「α × β戦略」です。これは、自社の確立した再現性パターン「α」を、変化し続ける市場環境「β」に適用し続けることで、持続的な成長を実現する戦略なのです。一方で、「一発屋」で終わってしまう企業には、この「α×β戦略」のどちらかが欠けていることが多いのです。原因は次の3つです。

  • 勝ちパターン「α」が曖昧
    なぜ成功したのかを分析・理解せず、再現性のある仕組み化ができていない。
  • 個人の才能や偶然頼み
    属人性が高く、組織として再現できない。
  • 市場の変化「β」についていけない
    環境の変化に気がつかない、変化に対応していない、変化への対応が遅い。

振り返れば、かつてSNSの先駆けだったMySpaceは、後発のFacebookなどの変化に対応できずに衰退。携帯電話の巨人だったNokiaも、スマートフォンという市場の変化「β」に適応できませんでした。フィルムのKodakも同様です。デジカメ市場に追随できず消滅してしまったのです。

まとめ

経営を、「再現性モデル(α)」と「時流対応(β)」で考えると、継続的に価値を生み出す方法が浮かんできます。このようなシンプル構造で考えることで企業発展の根源が見えてくるのです。お試しください。

(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)

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