圧倒的だがネガティブもある

半導体業界が活況。特にエヌビディア(NVIDIA)が牽引しています。NVIDIAはAI開発において欠かせない存在であり、他者を圧倒しているので注目されています。エヌビディアだけ高い演算能力を発揮しているのです。今後もその流れは続くでしょう。しかし、AI開発において、
・高い演算能力を必要としないAI
が出てきたら、エヌビディアの価値は下がっていくのではないでしょうか。実際に小型AIの開発も進んでおり、まあまあ動くAIは出てきています。そうなると、一般に使う範囲ではハイスペックのAIは必要ないという雰囲気になっていく可能性もあります。この流れは今後、注目です。

中には在庫過多

半導体業界といっても半導体の製造工程ごとに企業があり、幅広い領域です。好業績が多い中、業績がふるわない企業もあります。たとえば、SUMCOです。上場企業なので、業績公開されています。2024年から在庫が増え始めました。現在は在庫が調整されつつありますが、高い水準で在庫を抱えています。SUMCOは小型シリコンウェーハを得意とする製造会社。売上はシリコンウェーハが占めているのが特徴。そのため、シリコンウェーハの売り上げによって業績が左右されてしまいます。依存度が高いということ。企業は規模が大きくても依存度が高いと、業績が乱高下します。最悪のときには経営の継続ができない場合も出てきます。SUMCOも製品依存度の高いビジネスモデルが現在の業績に影響していると感じます。

SUMCO:IRライブラリー
https://www.sumcosi.com/ir/library/

業界が良くても

半導体業界が良くても、中には業績が芳しくない企業もあることがわかります。そのため、業界全体が活況だからといって判断できません。製造業の場合は、製造している製品が売れているのかが気になりますが、ポイントは次の製品を開発できているのかが重要です。次の製品はこのようなものを開発していると公開されているはずです。その方向性が戦略的なのかを確認したいです。

まとめ

NVIDIAは開発の方向が他と違いました。現在は、NVIDIAに時代が追いついてきたように感じています。今後はまだ未定。わかりません。現在の優位性はまだ続くと思われます。なかなか他社が追いつけないと予想しています。ただ、DeepSeekショックのように、ひとつの新製品が出てくることで業界が一変する可能性は否定できません。今年、来年は目が離せない領域です。

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『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』運営執筆 藤原毅芳(fjコンサルタンツ) from2011