ニュースに出た
小さな地方の記事です。そのうちWeb上では記事が見られなくなるでしょう。いつものことです。記事は
・トヨタ系の大手自動車部品メーカー、ジェイテクトが下請法違反で公正取引委員会から勧告を受けた
という内容です。ひっそりとニュースが流れました。
その内容は、下請け企業374社に支払う代金から、振込手数料以上の金額を不当に減額していたというもの。振込手数料の合意はされていましたが、実際にかかった振込手数料以上の金額を減額したようです。ちょっとわかりにくいですが、振込手数料の合意は、
・支払い金額から振込手数料を880円(仮)引いて振り込みます
という合意がされていたとします。この手数料は現金で振り込んだ場合の手数料です。しかし、最近はネットバンキングなので、そこまで振込手数料はかかりません。その差額を不当に減額したとされたのでしょう。詳細は書かれてありませんが、予想だとそうなります。
減額分の総額は、およそ2年で177万円あまり。金額は小さいですが、小さな問題ではなくなりました。
大手自動車部品メーカー『ジェイテクト』下請けへの振込手数料を不当に減額 公取委が下請法違反と認定し再発防止を勧告
https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20250919_42482
認定された事実
実際に経験したことがあるので、わかります。合意がされているケースはまだ良い方で、勝手に引かれてくることもあります。「いきなり減額されたのですが、これは何でしょうか」と質問してきた経営者の方もいました。よく見ると減額された金額が880円(仮)だったので、振込手数料を引くようになったのではないですか、とお伝えしたことがあります。合意されないと不満が出ますよね。業界によっては、これが当たり前に行われているケースもあり、思い当たる業界がいくつかあります。ただ、お仕事をいただいている側から見ると振込手数料に関しては納得するしかなく、ほぼ何も言わない状況が続いていたと思います。それが、今回は合意されていても、実際にかかった手数料以上の金額が不当であり、下請法違反と認定したことは、動きがあったと感じます。
設定ミス
今回のけんは、支払う側は
・会計システムの設定ミス
だと説明しています。実際のところは不明ですが、この一件は、これまで黙認されてきた取引慣行のあり方を改めて問い直すきっかけになるかもしれません。ビジネスをする上での、ビジネスパートナーという位置付けであるならば、このようなお取引にはならないと感じますが、一方的な商習慣は他にもまだ残っています。今後も時間とともに、少しずつ改善されていくのでしょう。
まとめ
わずかな金額の不当な減額であっても、法律違反として厳しく問われる時代になったことを示しています。金型の保管について保管料を支払っていないケースは複数事例が出てきていますが、今回の振込手数料に関しては初めてではないでしょうか。他の事例も出てきそうです。
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『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』運営執筆 藤原毅芳(fjコンサルタンツ) from2011