発言が波紋

勝利演説の一部分が波紋を広げています。
自民党総裁選挙後、勝利した方の勝利演説に次のような内容が含まれていました。読めばわかりますが、これは、自民党内に向けたメッセージ。もしくは、自分自身の取り組みに対する宣言です。特に「馬車馬のように」「ワークライフバランスという言葉を捨てます」「働いて働いて働いて働いて働いて」が強調されています。最近の特徴である「切り抜き」によってその部分が拡散されています。

「私は約束を守ります。
全世代総力結集で、全員参加で頑張らなきゃ立て直せませんよ
だって今人数少ないですし、もう全員に働いていただきます。
馬車馬のように働いていただきます。
私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます。
働いて働いて働いて働いて働いて、参ります。」
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2210197?display=1

単語の解釈

「馬車馬のように」という表現に対しては、
・人に対して馬車馬のようにという表現はいかがなものか
という論調が見受けられます。人は馬ではないので、馬車馬のように働けというのは、間違っていることになるのでしょう。中には、このような表現を初めて聞く人もいると思います。「馬車馬のように働くとは?」と検索されているようです。意味としては、
・一途に働く
・脇見をせず働く
・必死に働く
・努力を惜しまない
といった内容を含んでいます。最近では、さらに
・酷使される
・過重労働
というニュアンスが加わっています。そのため、年代によって受け止め方が違うのです。違和感なく、受け止めた人もいるでしょう。「そこまで一生懸命に取り組むのか」と評価していると感じます。その一方で、「拒絶反応」を示しているのも事実。表現のたとえとして使われた「単語」に対して拒絶しているのです。ここで、そのような単語を用いた表現は違和感があると感じていると思います。

まとめ

リーダーは、話している内容ではなく、使われている単語に対しても拒絶されることを意識しなければならないことが今回の演説からわかります。単語や表現には、
・受け入れる
・受け入れられない
・拒絶する
という条件反射が見られます。その反応を予測しながら表現の内容を選ぶ時代になったのを感じます。特定の人に向けて発言しているのですが、一般に公開される場合には、不特定多数の人が、どのように感じるのかを想定しなければならないのです。これも時代の変化です。

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