受け入れる
ファクト(事実)に対して、いったんは受け入れる。たとえば、販売データというファクトに対して、予想外の結果が出たとき、「たまたま」「異常値が出ただけ」と拒否するのではなく、もしそのデータが正しければ、という想像が必要なのです。どうしても、経験を重ねるほど、自分の経験やカン、思い込み、希望的観測に執着してしまうもの。結果を予想しているはずなので、予想と同じようなデータが出ているときの方が安心してしまうのです。
本当は、「そのような思い込みを捨て、客観的な事実(ファクト)やデータに基づいて判断しなさい」ということになります。
こんな場面で
どのような場面でファクトを受け入れなければならないのか。たとえばこんなシチュエーションです。
・予想外の結果、しかも認めたくない内容のとき
・過去の成功体験を否定する内容のとき
・仮説と違う結果が出たとき
が要注意なのです。なぜなら、感情的になっているからです。認めたくない、否定された気分になっているときほど、冷静さを失っています。
成功が続くほど
経営においても、右肩上がりが3年続くと、ファクトに対して謙虚にならないことが出てきます。5年続くと、ファクトを見ても確認するだけで分析しなくなります。問題ないと思ってみたり、何も変化がないと感じてしまうのです。そのための、「ファクトに対して謙虚になれ」という言葉は忘れたくない内容です。
時代を見ると
仮に同じ業績が今年も出たとします。しかし、ビジネスの環境は違うはず。それを認識するために、環境を見ておく必要があります。
・エリアの状況
・顧客の状況(顧客業界)
といったミクロだけでなく
・経済状況
・流通の変化
などのマクロ環境も見ておくと、同じ結果(数値)が出ても、分析しなければという気持ちになるでしょう。
まとめ
「ファクトに謙虚になれ」が意味することは、
・毎回ファクトを受け入れ
・分析すること
になります。結果がわるいときにおいては、まず結果がわるいことを受け入れます。そこに言い訳は必要ありません。事実として不足分を把握することです。自分たちの何が不足していたのか。そんな思考回路が理想です。
逆に結果が良いときはどうでしょうか。結果が良いときほど、ファクトに謙虚になる必要があると感じています。あっさりとした分析で終わるのではなく、どうして良かったのかを自分なりに納得するまで考えるべきでしょう。それが、自分の戦略による結果であるのか、偶然の結果なのかわかると思います。偶然の結果もわるくはありませんが、自分の予想や戦略が外れていることになるので、そこは受け入れなければなりません。だからこそ、ファクトには謙虚になれ、なのです。
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