こんなことが起こっている
米国で大手企業が2社破産申請をしています。
・Tricolor社:中古車販売&高金利自動車ローン提供:低所得者向けに提供→不法滞在者強制送還により売上減
・First Brands社:自動車部品メーカー&販売(輸入販売):非上場企業:借入による買収により成長
ともに、債権がAAA各付けの証券になっており、その証券も債務不履行になったので、リーマンショック時の住宅系サブプライムローンと同じ構造と結果になっています。債権者であるフィフスサード銀行はTricolor社を詐欺で告訴したようです。他にも大手ヘッジファンドも損失を出していると予想されています。
前兆になるのか
海外のメディアでは、これを「炭鉱のカナリア」と表現しています。炭鉱のカナリアとは、
・有毒ガスの発生に敏感に反応して鳴き止むカナリアの習性に由来し、人間が気づく前に危険を知らせる前兆や指標のこと
です。実際に、ガス発生エリアに行くときは、カナリアと一緒に行くことがあります。日本でも、とある宗教施設に強制捜査が入ったとき、捜査員の手に、毒ガス検知用のカナリアが入った鳥かごがあったのを覚えています。
損失とリカバリー
金融はお金の予定通り回っていれば問題がありません。債務不履行が発生すると、損失が出るので、通常ならばリカバリーします。ただ、損失が大きければリカバリーができなくなるだけです。そのときはクラッシュするだけです。今回のことは損失がどの程度なのか、まだわかりません。また、リカバリーできているのかもわかりません。なぜなら、損失は先送りにされているケースもあるからです。
まとめ
まだ、小さなできごとかもしれませんが、その小さいことが蓄積しているように感じます。対応できる範囲の債務不履行であるならば問題ないのですが、もしリカバリーできないとなれば、痛みをともなうことになるでしょう。現在、米国の金融機関に体力が残されているのか疑問です。損失が重なると、体力を消耗するからです。株価が高いことが幸いではありますが、これも半導体やAI企業頼みになっており、「AIバブル」という表現を企業トップもするようになりました。(Amazon創業者)そのような状況であることだけ認識しておきましょう。
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