計画との誤差
新しい事業を始める前に予測数字を立てます。もちろん損益は黒字になるように数字が並ぶはずです。実際にビジネスがスタートしてから計画の数字と誤差を見るのですが、大きく外れることがあります。なぜなのでしょうか。金額の大きなプロジェクトほど、この誤差が大きくなるケースがあり、ビジネスの難易度を感じます。
3割しかいない
インドネシアの高速鉄道、日本でいう新幹線が計画倒れになっており、赤字が膨らんでいます。もともと日本のメーカーを採用予定が、途中から中国製の高速鉄道に採用が切り替わりましたもともとの計画数と実際の乗客数の差は大きく、当初の計画の3割程度しか乗客がいません。計画筋の7割減で推移しているのです。これだけ大きな誤差が出るととても黒字化できる見込みはないと思います。
・『1日当たりの乗客数は平日で1万6000〜1万8000人、週末は1万8000〜2万1000人だ。現地メディアによれば、1日当たり5万〜7万6000人という当初目標の半数にも届かない』
インドネシア高速鉄道、中国と債務交渉 赤字止まらず「時限爆弾」に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM063QN0W5A001C2000000/
1回で巨額損失
日本でも、ここ数年の中で計画との誤差を感じたのが、大型建築の建設費です。三井住友建設が750億円の損失を出したのです。たった1件の案件によって巨額な損失を出しました。その後、三井住友建設は、インフロニア・ホールディングス(傘下に前田建設)に買収されています。
三井住友建、麻布台ヒルズ住宅750億円損失の深層「日本一の高さ」の称号を求めた代償は大きすぎた
https://toyokeizai.net/articles/-/843352
まとめ
このようにビジネスには大きな誤差を生むことがあります。数多くありませんが、事例からその1回の損失が大きいことに気がつくでしょう。そのため、リーダーは、「いつも怖さを忘れない」、「怖さを知っていること」がとても欠かせない要素になります。何度もうまくいっているときには、その怖さに鈍感になってしまいます。そうなると、次の1回で大きな損失が出て、過去の全ての利益を打ち消してしまう可能性があるのです。事例から学ぶことのできる内容だと感じます。
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