方向転換のように

高市首相が単独インタビューで語った
「無責任な減税はしない」
「国債発行を抑える」
という方針は、これまでの積極財政のイメージを是正し、方向転換っぽくメディア発信しており、海外からは注目を集めています。

この発言の裏には、市場の混乱を鎮め、現実的な政権運営へと舵を切る戦略が見え隠れしています。これで日本国債の金利上昇も落ち着くと見られています。

財政規律へのシフトなのか

就任当初から「積極財政」を掲げてきた高市首相ですが、今回のインタビューでは、財源の裏付けがない減税や、野放図な国債発行を明確に否定しました。
これは、金利上昇や円安リスクに敏感な債券市場や為替市場に対し、日本の財政運営に対する信頼を維持するためのメッセージ。市場の懸念を払拭し、経済の安定を図る「火消し」としての側面が非常に強い発言と言えます。ようやく動いた感はあり、ホッとしている人もいるのではないでしょうか。国債長期の金利上昇が継続していたので、これで落ち着くと見られています。

真逆の方向性

高市首相が尊敬してやまないと公言している英国の「鉄の女」マーガレット・サッチャー。しかし、今回のインタビューで見せた「無責任な減税はしない」「国債発行を抑える」という姿勢は、サッチャー氏がかつて断行した象徴的な政策とは真逆の方向性です。
・国営の民営化
・小さな政府を目指す
・規制緩和
・消費税引き上げ
などです。

政府が介入することは同じであっても、方向性は真逆。その点は認識しておきたい部分です。

まとめ

やはり、海外からの評価を無視することはできません。為替や国債の金利に関しても、自分たちで完全にコントロールできないのです。その点、強気で進めていた現政権ですが、今後は調整しながら、市場と対話しながら進んでいくことでしょう。日銀と政権の関係性も完全一致とは思えないので、その点も牽制しながら進めていくのではないかと感じています。目が離せないのは確かです。

高市首相「無責任な減税しない」、国債発行抑える 単独インタビュー https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA225SX0S5A221C2000000/?n_cid=dsapp_share_ios

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