【fjconsultants365日Blog:3687投稿目】〜1日3分、3ヶ月で1冊分の知識転移〜
日本に工場回帰傾向
日本に工場を戻すメーカーが
話題になっています。
2015年以降、新設された工場と
今後新設される工場建設計画を
合計すると300以上になると
言われています。
こうした国内回帰の傾向には
理由がいくつかあります。
・海外の人件費高騰(特に中国)
・為替(円安傾向)
・インバウンド需要増加
・ 研究開発強化(マザー工場投資)
などが国内回帰要因とされているのです。
今後、こうした流れが続くとは限りま
せんがこの数年は以前より流れが変わったと
言えると思います。
【参考】
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/researchfocus/pdf/10327.pdf
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00007/?n_cid=nbponb_twbn
工場のレベルは上がったのか
では、国内の工場のレベルは上がった
のでしょうか。
技術開発を目的としたマザー工場への
投資をしている企業にとっては工場の
レベルは上昇しています。
ただそれが世界レベルで最先端なのか
ということが現在問われていると感じます。
日本では「製造業礼賛」の傾向が強く
日本の製造業は強い、という印象を
持っている人が多数います。
それ自体は間違いではないのですが
どこで評価するかによって強いポイント、
弱いポイントがあると感じます。
灯台工場が1つもない日本の現実
マッキンゼー&カンパニー社の調査で
世界の製造業を牽引する工場をピック
アップしています。
そうした工場を
・lighthouse manufactures
と命名しています。
直訳すると「灯台工場」。
最先端の技術を取り入れた模範に
なるような工場のことを指して
います。
ピックアップされた工場は
・16工場
であり、その中には日本の工場が
ひとつもありません。
ヨーロッパ:9ヶ所
中国:5ヶ所
米国:1ヶ所
サウジアラビア:1ヶ所
となっています。
大手企業1,000社以上をリサーチし、
150社以上と直接調査したようです。
この調査の評価基準がインダストリー4.0
(第4次産業革命)が柱となっています。
これはヨーロッパ主導で進められている
のでヨーロッパの工場が選定されるのは
納得のいくところです。
これらの最先端工場に共通するキーワードは
・IoT(インターネット・オブ・シングス)
・AI(人工知能)
・ビッグデータ
・ロボット工学
になります。
これを大規模工場で実現していることが
今回の選定理由になるとのことです。
【参考】
日本は独自路線か
日本の工場が選定されていないことを
どう評価すればいいのでしょうか。
インダストリー4.0の内容を強引に
まとめてしまうと
・センサーで把握
・自動調整
・全体最適化
になります。
日本の工場がこれを実現できているか
どうかだけだと感じます。
中には、すでに実現できているという
声を聞くこともあります。
独自路線で歩んでいる場合は、こうした
海外からの評価には入りませんがレベルが
低いという結論にもなりません。
今後も製造業の世界は世界標準を各国が
狙っているので目が離せないのが実情です。