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デザイン

デザイン経営の提唱

企業の競争力を高めるために

「デザイン経営」

が経済産業省・特許庁から提唱されています。

産業競争力とデザインを考える研究会

機能や品質だけでは差別化が難しい時代に

なったので、自分たちの強みをデザインに

よって表現し価値を高めていくという

主旨です。

ブランド力向上という言葉の方が

理解しやすいかもしれません。

デザインの投資効果

経営者の方に「デザイン」のことを

説明すると

「当社にはあまり効果がないのでは」

「うちの業界ではやっているところがない」

と後ろ向きのことを言われる人がいます。

実際の投資効果はどうなのでしょうか。

デザイン投資効果

上記資料が提起されています。

デザインの投資効果は

デザイン投資の4倍の利益が得られる

と結果報告しています。

株価成長率も10年間比較では

デザイン重視の会社の方が2.1倍

成長していることがわかります。

デザイン経営とは

デザイン経営を実現している企業として

・アップル

・ダイソン

・良品計画

・マツダ

・メルカリ

・Airbnb

・3M

・IBM

が取り上げられています。

いわゆる、経営戦略の中心にデザインを

据えている会社ということです。

デザイン経営をしている会社の定義として

・取締役クラスにデザイン責任者がいること

・事業戦略の立案の最初からデザインが関与する

の2点があげられています。

取締役クラスにデザイン責任者がいるというのは

CDO(最高デザイン責任者Chief Design Officer)

いるということです。

有名なところではアップル社のCDOである

・ジョナサン・アイブ氏

が有名です。

デザイン経営の実現

実際にデザイン経営を実現するには

どのようなプロセスが必要なのでしょうか。

商品、サービスの開発チームにデザイン担当が

いるだけではデザイン経営は実現しません。

会社のビジネスモデルを構築するところから

デザイン責任者が関わる必要があるのです。

商品開発、サービス開発のプロセス

今までとは違ってきます。

今までは、いわゆる

「顧客が求めているモノ」

を具現化することを中心としていました。

そのため

・機能性を上げる

ことや

・品質

が中心だったのです。

これからは

「顧客が求めている進化」

をビジネスで実現しなければなりません。

これこそが「デザイン的視点」「デザイン的

発想」と呼ばれるのです。

しかも開発プロセスでは

「アジャイル型」

が今後の主流となります。

完成度を完璧にしてから販売するのではなく

プロトタイプから積極的に市場と接点

持っていく手法です。

改善のPDCAサイクルを早めるプロセスです。

デザイナーのバックグラウンド

デザイナーに求められる資質は

デザインだけではありません。

心理学、統計学、リサーチ、マーケティング

多岐にわたります。

そのためデザイン責任者はデザインスクールや

美術大学出身者というわけではありません。

理工学系出身者がデザイン責任者になることも

あるのです。

このあたりが経営にデザインを取り入れる時に

誤解される点です。

経営者の中にも誤解している人が多いのも

こうした部分です。

付加価値経営≒デザイン経営

こうして見てくるとデザイン経営とは

付加価値経営のひとつだとわかります。

付加価値経営を行うためにデザイン的な

ことを経営戦略上、含んでいない会社は

デザイン経営に取り組むことです。

今までデザイン経営に取り組んでいない分

だけ、成長可能性が高いのです。

競合他社と差別化できず利益が出ない

会社も優先的に取り組むことです。

利益の源泉はどれだけ差別化できるかに

かかっています。

昨今の「働き方改革」実現もデザイン経営を

実現しなければ成立しない側面があります。

働き方改革だけを実践しても、あるべき姿まで

到達できるとは限らないのです。

まとめになりますが、

10年後を見据えるならば、デザイン経営は

はずせない経営戦略のひとつだということです。