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2018年上半期国内新車販売台数
日本自動車販売協会連合会が発表した
今年の上半期国内新車販売台数(軽自動車除く)の
トップに躍り出たのが
1位 日産ノート 73,380台
でした。
実に48年ぶりの快挙。
月間でトップを取ったのは記憶に新しいですが
今度は半期トップになったのです。
ちなみに2位、3位は下記になります。
2位 トヨタアクア 66,144台
3位 トヨタプリウス 64,019台
実は新技術ではない
この日産ノートは「eパワー」というシステム。
ガソリンエンジンで発電した電気で
モーターを駆動させる仕組みです。
ハイブリット(HV)技術のひとつです。
特徴は
・燃費の良さ(1リッターあたり34km)
・加速性の良さ
・価格が手頃
という点です。
ではこの技術が新しい技術なのでしょうか。
実は既存技術の組み合わせでしかないのです。
競合他社、自動車評論家からは
「決して新しい技術ではない」
と言われているのです。
新技術ではないのに流行ったもの
日産ノートのように新技術ではないのに
流行ったものが過去にもあります。
どの商品なのか想像がつきますか?
同じように
「新しい技術はひとつもない」
と言われていた商品なのですが
今では世界中に普及してしまった
商品です。
それは、iPhoneです。
パソコンしか作ったことのないApple社が
はじめて世にに送り出した携帯電話です。
このiPhoneを見た他社の技術者の方々は
・スピードが遅い
・新しい技術はなにもない
等と酷評していたのです。
技術は大切な要素ですが新技術だからといって
売れるわけでもない事実があるということを
忘れてはいけないと感じます。
開発は新技術がすべてではない
今回の日産ノートが半期トップになったという
現象は開発における示唆を与えてくれます。
日産は純粋な電気自動車リーフを他社に先行して
発売しています。
しかし、販売は芳しくありません。
ただ、そこで培った技術や開発がノートに活かされて
いると想像しています。
ノートの価格を抑えることができたのも
リーフの部品を流用しているからです。
ガソリン車にリーフの技術と部品を流用して
つくったイメージを持っています。
他社は、
「どうしてこんな既存技術の車が売れるのだろうか」
と思っているかもしれません。
しかし顧客が指示しているのは事実なので
インパクトのある商品
になっているのです。
試乗後の即決契約率が2倍に
ノートは販売店で顧客が試乗し、その日に
契約される率が以前の2倍になっているようです。
それだけ性能(加速)と価格を考えた時に
インパクトがあり、即決するだけの商品力が
備わっていると分析できます。
結局のところ、顧客が買いたいというポイントを
刺激できる商品だといえます。
実際にノートを購入した人がまわりにもいますが
「いいですよ、加速すごいし」
と言っていました。
こうした点を他社は見落とさないようにしなければ
なりません。
これは顧客が求めていた「次」を予測する作業なのです。
そう感じます。
【出典】
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180706&ng=DGKKZO32683060V00C18A7TJ1000