【fjコンサルタンツ365日Blog:3535投稿目】
タクシー会社が自動運転のタクシー導入
この決断、どう思われますか。
タクシー会社が自動運転のサービスを
導入しました。
まだ運行実験段階ですが初の取り組みに
なるのです。
この時期に、この決断をされた経営者の
考えを紐解いてみると経営の判断が
見えてきます。
いわゆる競合との力関係、脅威が
見えてくるのです。
ビジネスは力関係がからみあって
進んでいます。
様々な力が働いていますが、競合に
対する力が通常は大きいです。
しかし、たまに異業種から参入してくる
脅威が出現します。
タクシー業界は今、その岐路に立たされて
いるのです。
ウーバー等のライドシェアが解禁になると
タクシーの売上は一気に下がると言われます。
ライドシェアとは相乗りの意味で使われますが
ビジネスでは、相乗りをマッチングさせる
サービスを指しています。
配車型ライドシェアでは、タクシーとの違いは
・事前決済
・ドライバーは素人
ということです。
こうしたサービスは日本では白タクと呼ばれ
違法行為とみなされます。
ライドシェアが解禁されない理由も白タクを
許可していない現状があるのでこの点は
海外と比較して遅れているといわれています。
ただ、いつかはライドシェアが解禁されてしまう。
そうなるとタクシー会社も手を打たなければ
なりません。
となると手を打つのは遅いより速いほうがベターです。
こうした決断が今回の自動運転タクシー導入へと
つながったと予測しています。
ドライバーの仕事を奪うサービスを導入
タクシー会社にとって自動運転タクシーは
デメリットも生じます。
タクシードライバーが不要になってしまうのです。
現在雇用しているドライバーがゼロになる
可能性もあるのです。
経営者と雇用者の対立が出てくるのは
必至です。
ライドシェアに奪われるぐらいなら
そうした雇用者とのトラブルが発生するコストよりも
異業種からの参入による売上減少の方が脅威なのです。
シェアが変化してしまえば、
・タクシー会社消滅
にもなりかねません。
ライドシェアに自分たちの会社や業界を
奪われるぐらいなら、さっさと自動運転
タクシーを導入した方が経営の判断として
優先されるのです。
経営の判断は、正しいものを見つけるだけでは
ありません。
どちらを選んでも問題が発生する事象に対して
優先順位をつけられるかなのです。
この点を今回の事象は考えさせてくれる
ものでした。
自分の業界に当てはめて考えてみると
より一層理解が深まります。
【出典】
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO34658190X20C18A8TJ2000/