【fjコンサルタンツ365日Blog:3563投稿目】fjコンサルタンツ藤原毅芳 執筆

過剰品質について考えると

昨日は過剰生産について取り上げました。

今日は過剰品質について考えてみたいと思います。

過剰品質とは

過剰品質とは「顧客が求めている以上の品質を提供している」ことです。

製造業だけでなくサービス業でも過剰品質となっている部分があります。

製造業では、顧客が求めていない部分を作り込んだりすることは過剰品質に当たります。

サービス業ならば、少人数の方が求めていたサービスを全面展開していることが過剰品質の一部に当たります。

製造業は品質向上の成功体験が強い

日本は戦後、品質を向上させ海外へと製品を進出していった経緯があります。

戦後のQC活動(クオリティ・コントロール)がデミング博士(米国)によって広められましたが米国より先に普及定着したのが日本なのです。

(日本の成功を、後に米国に持ち帰っています)

製造業では品質を向上させたことで成功したという体験が根強いのです。

そのため、「品質向上」が目的だったのにもかかわらず、品質向上が手段となってしまう企業もあるのです。

「顧客は品質を求めている」と思い込みながらプロセスを組んでしまう現象です。

もしくは、他社の製品ばかりを見て他社より「良い品質」を求める現象のことを指しています。

重要を見極める

品質の差で明らかに販売量が変わる業界は品質を求めても問題ありません。

しかし、品質の差が微小であり、しかも顧客がその品質の差を感じない程度であれば品質競争をする必要があるのかが問われていると感じています。

顧客がわからないような品質の差をコストをかけて行うことに疑問が出てくることがあるのです。

こだわりの商品も世の中にはあるので品質はこだわった方が良いとされていますが顧客ニーズから外れたポイントに目を奪われると本質を見失います。

「本当にその品質を顧客が求めていますか」と振り返るべき時期なのかもしれません。

人手不足で目覚めさせられた過剰品質

幸い、最近では人で不足のため過剰品質が見直されています。

サービス業では、店舗の営業時間が短縮されたり、休日を増やしたりして過剰品質を見直しています。

小売店や運送業などは深刻な人手不足のためこうした変更が目立ちます。

製造業では耐久性のレベルを考慮し始めた

製造業では、商品や部品の耐久性を考慮し始めました。

耐久性という品質を求めるとコストに跳ね返ります。

そうなると販売価格も上がり販売量に影響が出てしまうからです。

たとえば買い替え周期が3年程度の商品であれば3年間の耐久性があればいい、という割り切りをするメーカーが現れます。

耐久性5年という品質基準を設けている企業は価格争では負けてしまうのです。

まとめ

耐久性が顧客の求めている内容であれば求めていく品質になりますが、そうでなければ過剰品質でありコスト高です。

外野から見ていて

日本製:海外製

という図式でこの過剰品質の考え方が対立していると感じています。

このように過剰品質を見極めると適正な商品がつくることができ顧客にとって最適な商品となります。

こうした品質の最適化ができる企業になることが時代に求められていると感じます。