【fjconsultants365日Blog:3,761投稿目】fjコンサルタンツ藤原毅芳 執筆

調整力が問われる時代へ

はっきりしない人が増えた。
自分の意見を言わない人も増えています。

世代間で価値観の相違が大きいのも事実です。
チーム数人でさえ意見がまとまらない。
リーダーの言っている価値観が通用しない。

そんな時代が到来しています。
残業ひとつにとってもそうです。
「残業しないのが当たり前」の人と「がんばる」を強要するような雰囲気の人たち。

仕事を何よりも優先させる人と、仕事は人生の一部分と感じている人たち。

これからのリーダー像はこうしたメンバーを調整力でまとめている必要があるのです。
その具体的な調整力の内容を考えていきたいと思います。

営業パーソンでも調整力が求められている

リーダーのことを考える前に最初は営業職の仕事について考えてみたいです。
というのも、営業職の仕事が少しずつ高度化しているからです。

現在トップクラスに属している営業パーソンをリサーチするとクロージング力が強い人だけではないことに気がついたのもその理由のひとつです。

営業の仕事が高度化しているというのは具体的には関わる人数が多くなっているということ。
お客様の決定権者が1人ではなく複数であったり、社内のプロジェクトの人数、社外の協力会社さんの人数も合わせると大人数になっているのです。

これは連絡を取る手段が増え情報共有がカンタンにコストゼロで行える環境になったことが要因。
便利さと引き換えに高度化されているのが現状です。
営業スキルも調整力の比重が大きくなり身に付けるべき営業技術として調整力の優先順位が上がっているということです。

リーダーに求められる調整力とは

リーダーは次の人たちと関係調整するのを求めまれています。

  • メンバー
  • 社内他部署(仕事、プロジェクト直接関係者)
  • 社外協力会社(仕事直接関係者)
  • 社内他部署(仕事無関係)

上記の4グループと調整が必要になってきます。

メンバーとの調整

メンバーとの調整とは何でしょうか?
いつも顔をあわせていますし話しもしている。
これ以上、何かやる必要があるのか?と感じる人もいるでしょう。
しかし、冒頭で説明したように価値観多様化の流れがあなたのチームにも来ているのです。

当たり前のように残業や休日出勤をメンバーにお願いしても断られることもあるのではないでしょうか。
これを「仕事をわかっていない」といった感情論で片付けていないでしょうか。

これではリーダーとして片輪走行の状態。
単なる成績だけを追い求めているにしかメンバーからは見えないのです。
この部分をメンバー全員が納得する調整がリーダーに新たに求められていると感じます。

社内他部署との調整(直接関係者)

社内の他部署は近い存在。
お互いにどうしても甘えを求めてしまいます。

「ここはわかってほしい」
「やるのが当たり前だろ」
「なんで忙しい?断る?」といったやりとりがあるのではないでしょうか。

この状態の時に、直接仕事に関係する社内他部署との調整は担当者に任せておけません。
ここがリーダーの力量が問われます。
力の見せ所です。

お互いの言っていることを単なるワガママと片付けず、それぞれの意見を論理的に整理してあげること。
その中から誰しもが納得する着地点を見つけることです。
ここが調整力の高さです。

社外協力会社との調整(直接関係者)

社外の協力会社に仕事を依頼するとなぜか揉めてしまう担当者がいます。
揉める率が高い人がいるのです。

どうしてでしょうか?
それは仕事を出してやってる、お金を払ってやってる、という態度が出ているからです。
直接に見下すことを発言していなくても態度に出るので揉めてしまうのです。

そのため、協力会社さんから仕事を断られたりします。
これでは仕事になりません。
こんな時こそリーダーが求められる場面。
お互いの言い分を聞いて、ジャッジしていくのです。

時には悪い側を正す時もあるでしょう。
そこが調整力の発揮場所になるのです。

ちなみに余談ですが協力会社さんに対して態度のわるい担当者がリーダーになっている会社は業績が伸びません。
協力会社さんもチームメンバーとして巻き込まなければ結果には繋がらないのです。

社内他部署との調整(仕事無関係)

仕事に関係していない社内他部署とは、もともと仕事がないので連携する必要がありません。
しかし、新たな仕事を生み出したり、新しい仕事を広げたりするのには今まで関係がなかった他部署との連携が必要です。

ただ、そこまで自ら動くことは少ないといつも感じています。
成績優秀者の中にも、こうした自分の仕事に関係しない新たな仕事やプロジェクトを積極的に行わない人もいます。
評価の対象になっていないからというのがその理由。

リスクと感じるのか、意味がないと感じるのかわかりませんが関係ない部署と前向きに調整することは自分の力を大きく飛躍させるものです。
遠慮せずに取り組んでもらいたいところです。

まとめ

調整力がある人は議論がまとまらない会議において、それぞれの意見を簡潔にまとめ、論点を明確にしていきます。
各人の論点を察知し正確に掴み取る、そして整理していく能力といえるでしょう。
この能力関しては年齢に関係なく若手と呼ばれる人でも身につけることができるスキルです。
チャレンジしてほしいところです。