【fjconsultants365日Blog:3,787投稿目】
~1日3分、3ヶ月で1冊分の知識転移~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
マーケットが大きくなると消滅する会社とは
マーケットが大きくなるとそこにいる企業群は儲かっている、と
他業界の人たちは感じます。
それは本当なのでしょうか。
マーケットが大きくなるのに比例してすべての会社の売り上げが
増えるのでしょうか。
ゴールデンウィークの10連休、インバウンドの増加によって
マーケットが大きくなってる観光業について取り上げてみたいと
思います。
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旅行代理店について
旅行代理店の業界は激しい新陳代謝を繰り返しています。
景気が上向きマーケットが大きくなっています。
インバウンドの恩恵もありさらに拡大基調です。
そうであるならばそこにいる企業は売上が増え収益も
上昇しているはず。
そう考えるのが普通。
しかし、なかなかそうならない。
どうしてか。
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新規参入が相次ぐ
実は旅行代理店は新規参入が相次いでいます。
特にオンライン型の外国企業の参入です。
たとえば
エクスペディア https://www.expedia.co.jp/
は4年ほど前に一気にCMを増やし認知度を拡大させました。
ちょうどインバウンドが広がるタイミングと同じです。
今ではまわりでも利用者が広がっているのを感じます。
この会社はもともとマイクロソフト社の一部でした。
それが独立した企業なのです。
現在では世界でもトップクラスのオンライン旅行代理店のひとつ。
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マーケット拡大が競争激化を招いた
上記のようにマーケットの拡大に合わせて、外資などの
新規参入が増えてしまいます。
そのため、既存企業は激しい競争に巻き込まれるのです。
大手が参入するときは決まって
・低価格戦略
でシェアを拡大するのが定石です。
しかも旅行代理店はオンライン型で参入しているので
固定費が低い。
どうしても店舗型で仕事をしていた企業は価格で勝つことが
困難なのです。
しかも外資で乗り込んできた企業規模は日本のトップクラスの
企業規模の4倍にもなりスケールメリットでも勝てません。
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シニアのネット利用が加速
さらに追い打ちをかけるようにシニア層がネットで購入する
ようになったことも大きな変化です。
先日のブログ【統計からわかる旅行代理店業界の今後】で具体的に
取り上げています。
顧客の変化に追随するには、店舗型企業は追加投資が必要。
そこに企業規模が問われてしまったということです。
投資ができない企業は淘汰されているということ。
生産性という視点で見れば、生産性が上がらない企業が
退場させられたことになるのです。
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変化に追随できるかどうか
結局のところ、マーケットが大きくなろうが企業の存続には
あまり関連性はない。
マーケットの変化率に応じて企業が変化できるかどうか。
マーケットの変化率を上回ることができるかどうか。
それだけです。
そのために企業は変わるための投資が必要。
変身するために人、時間の投資、もしくは資金投入が
求められるのです。
それを怠れば退場するのみ。
景気が良さそうなマーケットでも退場する企業が存在するのは
そのため。
隣の芝は青く見えますが、そんなに楽ではないということです。