【fjconsultants365日Blog:3,823投稿目】fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
逆境の越える力を養う必要性を感じるとき
「この事業計画、最初でズレが出たらどうするの?」
「そのときになったら考えます」
「それじゃあ、来期も未達?」
「そんなことありません、がんばります」
こんな会話がなされていませんか。
特に計画が未達でも赤字にならない部署や事業部ほど
このような傾向があります。
そう、計画だけは大きく立てておけば何も言われないから。
しかも未達でも赤字でもないし。
そんな裏側の心理があるのです。
この部署のリーダーは、このような状態で成長するでしょうか。
時間が経てば実力を身につけるのでしょうか。
今回は、そんなリーダーが「逆境を乗り越える力」を身につけるプロセスを考えてみたいと思います。
ボトルネックを見つける力
まず、逆境におかれたリーダーがやるべきこと。
それは課題を解決すること。
といっても、実は課題が多すぎてよくわからない。
だから求められるのは、もっとも大きな課題を見つける力。
ボトルネックを探し出せる力です。
これが実力と言われています。
リーダーとして実力がある、実力がない、を外から見極めるときこのボトルネックを探し出せる力があるかで判断されます。
リーダーとして自信を持っている人の中にはボトルネックを探し出せない人もいて結局は逆境に飲み込まれていきます。
なぜボトルネックを探せないのか
どうしてボトルネックを探し出せないのでしょうか。
これには理由があります。
リーダーが得意としているフィールド、領域の中で課題を見つけようとするからです。
たとえば、モチベーションに強い営業リーダーは課題を
「メンバーのモチベーションが低いこと」
と断定します。
しかし、ボトルネックは単なる営業プロセスの間違いであることも。
そうなるとメンバーのモチベーションを上げたところで業績は改善向上しません。
リーダー自身が得意とするフィールドの外側にボトルネックがある場合は対処できないということ。
ここが実力の差なのです。
冷静な視点で見つめる
ボトルネックを探し出すには、「冷静な視点」を持つことです。
自分が得意とすること、不得意とすること、知らない領域が出てきても慌てず冷静に事象を見つめる。
そうすることで最も障害になっている部分が見えてくるのです。
しかも、課題解決できるかどうかわからない領域のことも見えてくることがあります。
そんなときも「できる・できないを問わない」姿勢で見ていく。
解決するのに莫大な時間がかかる、多額の費用がかかる、といったことがわかっていても、いったんはそれを無視すること。
そこが重要なポイントなのです。
課題解決の糸口を見つける思考力
ボトルネックが見えてきても、その課題解決がさっぱりわからないことがあります。
そんなとき、どうするのか。
解決の糸口を見出す思考力がここでは求められます。
ひとつには、課題を細かく分解する能力です。
課題を因数分解するにはフレームワークが用いられます。
力関係や連携関係、そしてプロセスを書き出すことによって真の課題部分が見えてくるのです。
当ブログでもフレームワークを取り上げています。
「答えが見つからない」 「これ以上、考えられません」 といったことがビジネスでは直面します。 これ、思考の…
糸口が見えてくるまで複数のフレームワークを用いて因数分解する
ことをおすすめします。
シミュレートする力で計画立案
ボトルネックの課題が見つかり、解決の糸口が見えてきたらあとは実践するだけ。
ただ、実践する前に計画のシミュレーションがほしい。
しかも複数通り。
計画は数字に落とし込んで完成すると「満足感」が出ます。
そのため、完成した計画以外のパターンを考えなくなるのです。
しかし現実は計画を進めるとすぐに頓挫。ストップします。
計画通りにならないのです。
計画はストップする、ズレるのを前提に次のプランを用意しておくことがリーダーの実力。
複数の予想を頭の中でしておくだけでも違います。
この部分、ある企業は100通り考えろ、といって鍛えています。
100本ノックでシミュレーションする筋肉を鍛えてしまおうという手法。
スポーツのトレーニングをイメージすればこのシミュレーションする力は養われるということです。
まとめ
逆境に直面したとき、乗り越えられるリーダーになるための手法を見てきました。
逆境はかならず来ます。
眼の前にあらわれます。
そのときに力を養おうと思っても遅い。
今から鍛えておくことだと感じます。