【fjconsultants365日Blog:3,911投稿目】経営コンサルタント藤原毅芳執筆
価格は顧客が決めているのか
商品サービスが売れる、数多く売れている、といったときは顧客に支持されていると判断します。
最近は支持されているのなら値上げするべき、という論調が増えた時期でもあります。
ただ、値上げをすると顧客が離れていくのではないかという危惧もあり、慎重になってしまいます。
価格設定は経営の要でありながら経営者の悩みどころでもあるのです。
最近はダイナミックプライシング(変動価格)も定着しており、広がりも見せています。
またサブスクリプション(定額制)も導入が始まり、価格設定の試行錯誤が続いています。
ここに来てまた新しい価格設定が現れました。
今回は新しい価格設定を取り上げてみます。
自由課金システムが登場
同一商品だが価格は顧客が自由に決める、という自由課金のシステムがリリースされています。
ある商品を手に入れた顧客はそれぞれ満足度が違います。
ある人は価値がないと感じ、ある人は100万円の価値がある、と考えることがあるのです。
しかし、現行のビジネスでは価格(定価)が決まっており、値引きすることはあっても決めた価格以上を頂くことはありません。
その矛盾を解消するのが自由課金の仕組みです。
これは、書籍の分野で実験されました。
まずは無料で手に入れた読者が本を読みます。
その後、自分が感じた価値(価格)をWEBを通じて支払う仕組みです。
この実験により億単位のお金が集まったので新会社設立、自由課金サービスリリースとなったようです。
「価格自由」
まずは出版社の書籍からサービスをリリースし、その後、誰でも価格自由のQRカードが発行できるサービスを提供する予定になっています。
そうなれば、書籍以外の商品サービスでも自由課金が実現するということです。
自由課金が実現したら
自由課金ができるなら、あなたは何をしたいですか?
書籍で価格自由が成立したならば、どのような商品サービスが価格自由で成立するのでしょうか。
考えるだけでアイデアが広がります。
演劇、映画、ライブ(音楽)は価格自由になると面白いかもしれません。
マスを対象にせず、特定の人たちだけに絞ったコンテンツでも商業的に成立する可能性が出てくるからです。
マイナーと言われたコンテンツが成立することも出てくるのではないでしょうか。
他にもアイデアが尽きることなく出てきます。
またビジネスの幅が広がっていくでしょう。
まとめ
価格の設定はこの数年劇的に変化をしています。
ダイナミックプライシングもホテル業界で定着して、今後はスポーツ観戦にまで広がっています。
時期や時間によって価格が変動することも結局消費者は受け入れています。
混んでいる時期は値段が上がるよね、仕方ないね、と痛みを感じながら受け入れた形です。
今回の価格自由(自由課金)は今後定着するかはわかりません。
世の中の景気という雰囲気に左右される可能性はあります。
今は部分的にカネ余り現象があり、自由課金に対しても比較的肯定的な時期だと感じるのです。
その流れが変化したら自由課金が成立していくのか確認したいところ。
いずれにしても新しい価格設定は楽しくもあり、また期待ができることです。