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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

49.8万円から13.6万円で販売10倍超

本体をアルミニウム製から樹脂製に切り替えて
49.8万円の価格を同性能で13.6万円(税別)で売り出した企業が
あります。
実に7割引の感覚。

49,8万円のときは4年間で約4,000台の販売台数。
(月間平均83台)
これが月間1,000台〜2,000台ペースで売れ始めた。
(2019年11月発売開始)
10倍〜20倍の売れ行きです。

その商品は「マッスルスーツ」。
https://musclesuit.co.jp/

マッスルスーツとは動作補助をする装置。
モノを持ち上げたりするときに腰に負担がかからない
機能を持っています。

普及期に入った

こうした斬新な商品は最初、高価格なため普及がゆっくり。
ときには、そのまま消滅することもあります。

今回は、樹脂製にすることで価格を以前の7割引価格(3割の価格)で
販売することで一気に開花。
普及期に入ったと感じます。

便利な商品であることは確かで、腰痛を持ちながら
仕事をしたり、介護をしなくてはならない人にとっては
待ち望んだ商品。
13.6万円という価格帯だと介護をしている親族へプレゼント
する気持ちにもなります。

企業でも「試しに使ってみようか」という気持ちにさせる
価格帯でもあります。

それにしても一気に価格を下げた商品開発が進みました。
これで量産化と販売普及の壁(キャズム)を超える
ことになるでしょう。

一気に壁を超える

商品を開発し販売する。
そこにはいくつもの壁があります。

  • 開発の壁
  • 試作の壁
  • 量産化の壁
  • 普及の壁

といったプロセスごとに壁があるのです。
製造業では、試作までは乗り越えたのだが、量産化まで
到達しないことが多く見受けられます。

最近流行りのクラウドファンディングでもそんな経験が
あります。

量産化を経験していない人がクラウドファンディングで
出資者を募る。
お金が集まったので、実際に量産化へチャレンジ。

量産を依頼した製造会社とのトラブルで商品が完成しない。
クラウドファンディング自体が頓挫。
返金されないケースもあります。

わたしも1度経験があります。
海外のクラウドファンディングでしたが商品が完成しません
でした。

なのでクラウドファンディングでは量産化の経験がある人か
どうかを確認するようにしています。

まとめ

経営は壁を乗り越えることで成立しますが、商品を開発する
製造業は軌道に乗るまでの道のりが長い。

このマッスルスーツを開発製造している企業も、会社設立が
2013年。今から6年前。

大学でこのマッスルスーツの開発が行われたのは2000年から。
実に20年近くかかっています。

この後は、普及機に入り、マッスルスーツ自体が小型化、
軽量化になるでしょう。
さらに値段は下がると思います。

軽作業という仕事はこうした補助装置が普及すると
年齢に関係なくできる仕事に位置づけが変化するでしょう。
そうなると、企業は採用の条件が変わってきます。
その点をキャッチアップしておくことだと思います。