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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
分散を集約するテック
電力には水力発電、火力発電、原子力発電が主流ですが
今後は、
・太陽光発電、
・風力発電、
・地熱発電、
・バイオマス発電
などがメインになるかもしれません。
こうした太陽光発電などは
・再生可能エネルギー
・自然エネルギー
と呼ばれています。
現在はまだ課題があり電力会社としては自然エネルギーの
依存度を上げることができません。
しかし、今後は違うようです。
VPP:仮想発電所
VPPは「バーチャル・パワー・プラント」
(Virtual Power Plant)の略で仮想発電所と
呼ばれています。
VPPとは
複数の蓄電池などを一括制御して、あたかもひとつの発電所と
して稼働させることです。
具体的には、そのエリアにある
・住宅設備(蓄電池など)
・電気自動車
・太陽光発電
をつなぎ、IoTによって制御すること。
発電に余力があれば蓄電し、不足したら蓄電から放出する
という仕組み。
この仕組が活用できるようになれば、太陽光発電の
エネルギーも有効に活かされるようになります。
太陽光発電や風力発電は自然が相手なので発電量が
急に増えたり減ったりします。
そうなると主となる発電源としては頼ることができない。
しかし、VPPにより急激な発電減少が発生しても補うことが
できれば、主となる発電として依存することが可能。
そうなると自然エネルギーの依存度を高めることができ
火力発電所などを減らすことができるようになるのです。
電気自動車が稼ぐ
もうひとつ個人にメリットが出てきます。
VPPが完成すれば個人の所有している電気自動車が
稼いでくれるようになります。
たとえば夜の間、電源ケーブルを電気自動車に接続するだけで
月額1万円弱稼いでくれるという試算がヨーロッパでは出ています。
風力発電が急に減少したときに、電気自動車に蓄えている電気を
放出し補うようにする仕組み。
電気自動車は朝の段階で充電8割をキープするよう制御されて
おり日常の使用には問題ない。
ただ、実証実験の段階なので電気自動車が継続的に稼いで
くれるかはわかりません。
また、電気自動車の電池が充電放電を繰り返すので耐用年数が
短くなることは予想できます。
まとめ
風力発電、太陽光発電の課題をいつも感じていました。
急激に発電量が下がる自然エネルギーに依存できるはずがない、
と考えていました。
その課題をVPPは解決できるプロセスを見つけています。
あとは、実証を繰り返し実用化するだけです。
小さく分散された電池をあたかもひとつとして稼働できる
テック(技術)が道筋をつくったのです。
この分散されたモノをひとつにする技術は他でも応用できる。
過去にも事例があります。
個人用のパソコンをネットで多数の台数をつなぎ、ひとつの
スーパーコンピューターとし稼働させてしまう。
そんなことが行われてきました。
今後も同様な仕組みで課題解決が行われていくのでしょう。
楽しみな領域です。