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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
売上増加策
「売上増加」「売上伸ばす」「売上増やす」というキーワードで
検索する人が増えているのではないでしょうか。
こうしたキーワードが増えるときは、単に売上減少が発生している
からです。
テレビをつければ、大企業の○○が売上減少、顧客減、休業する、
といった話題が出ています。
メディアを見れば、世の中全体が下がっているように見えるから
不思議なものです。そんな中で
売上が増えている商品・サービスもあります。
賑わっている業界もあります。
しかし、そうした話は埋もれてしまっています。
さて、やはり企業は売上がなければ利益も生まれません。
売上が減少したならば増やさなければ同じ規模で維持できない。
そのためにも売上を増やす施策が求められます。
今回は営業部がある企業が売上を増やすために知っておく
営業の視点について取り上げてみます。
既存顧客だけでは売上は下がる
売上が下がったときに営業部のミーティングに参加すると
必ずといっていいほど「お客様の仕事が減っていて」
「お客様の業界が不調で」と報告があります。
それは正しい状況説明であり、正しい分析でもあります。
しかし、その後が何もない。
お客様の理由だから売上が下がるのは致し方ない、と
暗に示しています。
この論理正しいのか。
もし正しいとすると、お客様の理由によって営業部の
皆さんのお給料も減っていくのは受け入れてもらえるので
しょうか。
そんなふうに感じるときもあります。
他に感じるのは、「既存のお客様だけでは減少する」という事実。
そこがポイントです。
営業の視点2種類
営業は同じ仕事をしていても視点(見る方向)は2つに分かれます。
具体的には
①顧客に対して営業している
②マーケットに対して営業している
の違いです。
この違い、実は結果に大きな差が出ます。
その差を解説します。
視点①顧客に対して
通常、営業担当は顧客に対して仕事をしています。
ルート営業と呼ばれる職種だと、現在取り引きのある既存顧客に
対して仕事をしています。
数社のVIP顧客がいると、その顧客対応だけで仕事の8割、9割に
なっているのです。
Sランクの顧客数は、3社〜6社程度が平均値です。
顧客の窓口担当者は10数人程度。
そこがすべてになっているのです。
この場合、顧客の範囲が狭い。
仕事の範囲も狭い。
数社を死守するのを優先としています。
成績があがっているときは、それだけでも問題ありませんが
顧客1社当たりの依存度が高すぎる。
そのため、売上が減少するのも速く、リカバリーにも時間が
かかるのが特徴です。
視点②マーケットに対して
もう一方の、マーケットに対して仕事をしている営業の人は
マーケットにおける
・シェア
・影響力
を指標としています。
いかにマーケットのシェアを上げられるのか。
どこまで市場の中で影響力を与えられるのか。
そこをポイントとしています。
そのため、計画した売上数字が達成しても満足しません。
数社の顧客を抱えたところで、まだ道半ばなのです。
大きな視野で仕事をしています。
大きな目標を持っています。
まとめ
営業の仕事は同じ世の中を見ていても、
・まだ可能性がある
・もうダメ
と2極化します。
「まだ販売できる」と思えるのか、「もう販売できない」と感じるのか。
その違いです。
細かいテクニックを教える前に、営業担当の視野方向性を
切り替えてあげるのは営業リーダーにとって有効な手段です。
できないと思っている人たちに施策を渡しても実践する気に
ならないでしょう。
そもそも、できないと思っているから。
そうであるならば、最初に視点切り替えプロセスに時間を
取るのが優先です。
『マーケットに向かって仕事せよ』