【fjconsultants365日Blog:4,154投稿目】fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
ニュートラル・ワースト・ベスト
経営のシナリオ(scenario)を描くときに下記のようなパターン分けをするときがあります。
・ニュートラル シナリオ neutral scenario
・ワースト シナリオ worst scenario
・ベスト シナリオ best scenario
の3パターンで描いていく。
《ベスト ケース←→ワースト ケース》
と表現されることも多い。
日本語で表現するならば
- 妥当なシナリオ
- 最悪なシナリオ
- 楽観的なシナリオ
となるでしょうか。
このパターン分けでシナリオをつくっていくときに注意する点を考えてみたいと思います。
ニュートラル シナリオ
ニュートラル シナリオは通常、妥当な内容で描いていきます。
では、ここでいう妥当とは何なのでしょうか。
おそらく考えているのは、先期と同じような売上が存在して、その上に新しい売上がうまく積み重なるだろう、というシナリオ。
「だったら、先期売上の5%増、10%増でいいのでは」
というシナリオです。
言い換えると、何事も発生しない、障害も起こらない状態が続くのがニュートラル シナリオではないでしょうか。
平穏無事、大過なく進むシナリオです。
そんな時期もありますが、長くは続くことがありませんし永遠にニュートラル シナリオだけというわけではありません。
なので、他のシナリオも必要になるのです。
ベスト シナリオ
ベスト シナリオは最高のシナリオ。
想像する中で最高の結果を出すシナリオです。
これだけの根拠があるのだから、最大でココまで広がるだろう。
マーケットサイズはこれだけあるのだから、シェアを占めればココまで売上が増えるはず。
結果の最大値を考えるのがベスト シナリオなのです。
ではベスト シナリオが必要な理由はわかりますか?
実は、最高の結果を出すには
・商品在庫
・人員確保
・仕入れ確保
などバックヤードの確保が必要。
それなしに達成することはありません。
たとえば、iPhoneが全世界で売れた、という報道を見たときに、売れたこともすばらしいですが、それを供給した製造システムがもっとすばらしい。
売れるタイミングで供給できる実力があったから可能だったのです。
その裏側には、ベスト シナリオを想定し、供給を止めないための決断をしていたはずです。
決してベスト シナリオは楽観的な憶測ではなく立派な計画のひとつなのです。
ワースト シナリオ
ワースト シナリオは最悪事態想定。
どこまで最悪を想定できるのでしょうか。
ある外資企業では、もし・・・になったら、という想定で
『隕石が地球に衝突したら・・・』
という想定まであるそうです。
そこまで想定するかは経営者の判断ですが、ワースト シナリオは不可欠な存在。
まとめ
経営で描くシナリオはニュートラル、ベスト、ワーストの3つのシナリオだけではありません。
しかし、最低この3つであるニュートラル、ベスト、ワーストのシナリオはほしいところです。
ただ経営のシミュレーションをするという表現ではなく
・ニュートラルの方向を書く
・ベストな状況を考える
・ワーストな世界を描いてみる
と表現したほうが理解が深くなります。
あらためて表現力による思考の深さを感じ次第です。