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どこまで撤退するのか残すのか

どこまで撤退するのか残すのか

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~経営には優先順位がある~fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆

この話題

この話題取り上げないわけにはいきません。
三菱重工業が旅客機事業(旧MRJ)を凍結の最終調整へ、と報道されたのです。
30日に行われる中期経営計画の発表内容が漏れた形です。
株価もすぐに反応し、三菱重工業の株価は上昇。
凍結が好意的に受け止められています。

2008年から取り組み始め、2015年には初飛行。
2021年に第一号機の納入を予定していました。

しかし、コロナで航空事業は数年間の停滞期へと突入。
顧客であるエアライン各社が経営存続が危ぶまれる状況になってしまったのです。

復活は3年後〜4年後になるため、需要は蒸発してしまったと言っても言い過ぎではありません。
そのため、三菱スペースジェット(旧MRJ)の開発は凍結になる可能性が出てきたのです。

2015年の初飛行は愛知県の名古屋空港で行われました。
たまたまスマホに速報が流れてきたので、そのままライブ映像で初飛行を見たのを覚えています。

動画に出てくるスタッフの歓喜を見ると残念な気持ちになります。
時代が後押ししてくれなかったのか、開発が予定より遅れ何度も延期したのが問題だったのか。

今では結果論でしかありません。

投入資金

三菱重工業は、このスペースジェット事業に8,000億円投資しています。
最終的には1兆円規模の事業。

国も500億円の援助をしています。
念願の国産旅客機。
これで本当に計画がなくなってしまうのでしょうか。

結論としては、完全撤退はないようです。
まだ型式証明を取れていない状態なので認証の試験は継続するようです。

認証を取りながら、需要が出てくれば復活もあるのではないでしょうか。

しかし、現在の組織は一旦解散するでしょう。
特に航空機を自分たちでつくると夢を持って取り組んだ方々の気持ちは想像できないほど落胆しているのではないでしょうか。

飛行機の開発

ホンダジェットが日本では有名ですが、開発に30年以上かかっています。

ホンダジェットの開発も途中で何度も挫折を経験。
開発が継続したのは奇跡と言われています。

現在は小型ジェットのクラスでは世界でもトップの機体数を製造しています。

まとめ

開発期間が長い商品ほど参入障壁が高い。
しかし、開発から商品化されなければサンクコストも莫大になってしまいます。

サンクコストとは、埋没費用(埋没コスト)のことであり回収できなくなった投資金額を指しています。

三菱スペースジェットでは約1兆円がサンクコストに当たります。

撤退は経営の中でも難易度の高い決断。
今回は、撤退する時期を見誤った事例として今後も取り上げられることになるでしょう。

しかし、5年後、10年後に実現したら逆に試練を乗り越えた成功事例として後世に語られることになります。

今回の判断はどの程度まで開発を残すのかがカギになりそうです。