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~経営には優先順位がある~fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
身内が疑念
「ものづくり補助金」の効果に疑念と身内である経済産業研究所(RIETI)が出した報告書が話題になっています。
もともと「ものづくり補助金」は中小企業向けの大型補助金。2012年から7,000億円を8.1万件に出しました。
試作品の開発費、設備投資費用などに当てられる補助金で最大1,000万円までと大きな施策です。
このものづくり補助金に対して
「政策効果があるとは言い切れない、と指摘した」
と報道されていました。
実際のところはどうなのでしょうか。
2020年度の第3次補正予算案の策定が始まった政府内で経済産業研究所(RIETI)が6月にまとめた報告書が話題になっている。
あくまでも
元の論文はこちらになります。
ものづくり補助金の効果分析:回帰不連続デザインを用いた分析
https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/20j032.pdf
数人の企業はデータがなく分析に苦労されたようです。
その上で、付加価値額の伸びを分析。
ものづくり補助金を受けた企業とそうでない企業を比較したのです。
その結果、一人当たり付加価値額、付加価値額、などには
「統計的に有意な影響は見られなかった」
とのこと。
政策の効果については、
「正又は負の政策効果があるとは言い切れない」
とカッコ書きで述べています。
報道では、「効果があるとは言い切れない、と指摘」とありましたが、実際は政策効果はわからないが統計データには有意な影響が見当たらなかった、ということ。
普通ならデータに出てきてもおかしくないはず。
しかし、何も出てこない。なぜ?
と提起しているのでしょう。
採択が甘い?
報道では、採択の甘さが要因とありましたが本当でしょうか。
確かにものづくり補助金は採択後のことは問われていません。
そのため、採択がゴールになっている可能性はあります。
効果を求めるならば、採択後の追跡も求める必要がありそうです。
まとめ
7,000億円を投資して有意なデータが出てこないのは残念な経過です。
今後、時間をかければ効果があらわれてくる可能性もあり、今ここで判断はできないと思っています。
しかし、補助金は国が採択していますが原資は税金なので、結果を知る人が増えれば増えるほど不満も大きくなる可能性があります。
こんな使われ方をしているのか?と問われる可能性もあるでしょう。
なので企業姿勢が問われる部分だと感じます。