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~経営には優先順位がある~fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆

大手もこの時期に新しい手を

百貨店のJ.フロント リテイリングが新しい手を打ち出してきました。
この内容を見ながら本気度を探りたいと思います。

Jフロント、衣料品の定額課金:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69554560S1A300C2MM8000/

衣料品の定額制を新しく出してきました。
国内、海外の50ブランドが参加するようです。
価格帯は高額の商品です。

この時期にメディアリリースしたのは理由があるのでしょうか。

定額制内訳

毎月3着まで利用できるプランで
月額11,000円、年額132,000円
なので
会員数:1,000人→売上1.32億円
会員数:1万人→売上13.2億円
会員数:3万人→売上39.6億円
となります。

5年後の計画が会員数3万人で売上計画55億円となっていることから、月額の金額は15,000円で試算されているのがわかります。

最終的には、月額15,000円前後を目指しているのでしょう。

1年目2年目3年目4年目5年目
会員数3万人
売上計画55〜60億円

売上シェア

大丸松坂屋百貨店の売上が2,995億円あります。
その中でアパレル分野の売上は


・衣料品:1,199億円

https://www.j-front-retailing.com/_data/ir_fin/2102_3Q_supplementary_J.pdf

あり、売上の中で40%を占めています。

1,199億円のうちのサブスクは55億円なので、5%程度しかありません。
あまり本気ではないことがココからわかります。

まとめ

新しいことを模索しなければならない。
模索していることを株主向けにもアピールしなければならない。
これが上場会社の運命です。

今回も全体の売上から見れば小さな施策。
本気度は低いのではないでしょうか。
というのも、サブスクが広がり過ぎると販売金額が減ってしまうからです。
マーケティング用語では『カニバリゼーション』と呼んでいます。

大きな身体ほど方向転換の難易度が高い。
ビジネスモデルの根幹を変化させるのは容易ではありません。
他に打つ手が限られるのでしょう。
そう感じさせる施策でした。

カニバリゼーションとは、
自社の商品が自社の他の商品を侵食してしまう「共食い」現象のこと

https://www.jmrlsi.co.jp/knowledge/yougo/my02/my0221.html